忘れること無く

振り向かず

登り続けてきた階段の先に…

広場が見えてきました

みんな あの日から

20年

一歩一歩

登り続けてきた階段は

その広場の先には ありません

みんな あの日から数えても

20年 歳を 取りました

あの日の思いは 今日 大人になりました

広場から見える景色

あの時と 比べることは出来ますか?

あの時を 忘れることがなかったら

きっと 比べることが出来るはずです

でも 歩き続けないといけません

その先に階段が無くなっても…

広場から 周りを見渡してください

もし 周りに 新しい階段を

その人達の あの日から

忘れずに 振り向かずに登りつつける人たちが居たら

すぐ その人達のところへ行きなさい

そして 今日からまた

新しい階段を その人達の思いと

自分たちの思いを忘れずに

振り向かずに 1年1年 登って行きましょう

もし 周りにそのような人たちが いないなら

君達で 階段を広場の先へ

1段1段

積み重ねて行って下さい

その階段は

あの日を乗り越えた証の 階段になっていくでしょう

だから これからも

忘れない…

でも これからは

振り返りなさい…

忘れないために…

そして 語り継ぐために…

あの日の思いは 今日で大人になりました…

例え傷が癒えていなくても…

この広場にやってきた事を…

ここに来るまでの道のりを…

登ってきた階段を見つめながら

忘れないために

語り継ぐために

振り返ってください…



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毎年 阪神大震災の日

1月17日のあの時間に

ブログに書いていたポエム

実は 震災直後に

私の担任だった先生が

終礼で1日1年を仮定して

未来予想図のように 語り聞かせて下さった

ポエムが元になっていました

1995年のあの日から

学校が再開して 20日間

もちろん 原文ではなく

私の記憶の中で 残っていたフレーズを

つなぎあわせたものです

今日 震災から20年目の朝を迎えました

長い階段を ひとまず登り終え

広場が目の前に広がった 20年目の朝…

先生…今日であの日の私…

大人になりました

ご存知のように

新しい苦難の階段を登り始めた人たちも…

でも

その人達とも 一緒に階段を登り始めて

もうすぐ4年が経とうとしています…

何が出来るのかわからないまま…

何をすればいいのかわからないまま…

時間だけが過ぎてしまっているかもと思う度

忘れないこと… 振り向かないこと…だけ

ずっと守って過ごしてきました…

でも お陰で

あの日を忘れないまま 大人になりました

これからも…20年前に起きたあの日も…

4年前に起きたあの日も…

震災だけではなく

誰かに降り注いだ あの日を忘れること無く…

みんなで、階段を登り続けます…

いつか 私達が 新しい階段を作れることが出来るまで…

2015・1・17 
とある 小学校で
定年間近の先生に 散々ご迷惑をかけた(笑)
泣き虫みか より