歌川広重・名所江戸百景・秋の部より

 

「小奈木川五本まつ」

 

つねきち水彩にて模写

 

 

現在の江東区の北部を東西に流れる川

 

小奈木川は小名木川(おなぎがわ)のこと。

 

家康が江戸城に入る前に

 

戦で使う為の塩を確保する為

 

千葉に塩田(行徳塩田)を置き

 

それを江戸に運ばせる為に、掘らせた川で

 

工事を取り仕切ったのが

 

小名木四郎兵衛という人だったので

 

この名前がついたと言われています。

 

 

川の途中には、とても立派な松の木が五本あり

 

そのまま「五本まつ」と呼ばれていましたが

 

これがのちに一本だけとなってしまいました。

 

この、松の木がそれです。

 

かなり年季の入った大木で

 

何ヶ所にも渡り補強がされていますね。

 

松の葉の細かいところまで

 

深い緑が浮き上がって見えるほど

 

つねきちが、しっかりと描いています。

 

枝の中にある線の一本一本や

 

色が微妙に変わっている部分まで。

 

これは相当な手間暇をかけて仕上げた事でしょう。

 

 

この船は行徳船。

 

前述の、家康が塩を江戸に運ばせる為

 

使われた船ですが

 

塩だけではなく、物資と人も運ぶようになりました。

 

ちょうどこの頃

 

歌舞伎役者の市川團十郎が

 

成田不動への信仰に目覚め

 

自ら演じた芝居の中に

 

不動明王を登場させたので

 

庶民の間で「成田参詣」が流行したそうです。

 

そのお参りに使われたのも、この船でした。

 

船の左端で手拭いを

 

川につけ濡らしている人がいます。

 

手を拭く為なのか、

 

川の水も綺麗な時代だったのでしょう。

 

 

時代と共に使われる船も変わり

 

この辺りの景色も変わりました。

 

昭和の時代には

 

地盤沈下により、船による運搬が出来なくなりましたが

 

震災時などにおける

 

船の交通の利便性が、また見直されているようです。

 

描かれている川はカーブしていますが

 

実物はまっすぐなので

 

広重が構図的に曲げて描いたものと思われます。

 

 

こちらはシリーズの中の「秋の部」で

 

最後から2番めの作品です。

 

(秋の部最後日はアップ済み)

 

これまでに冬・春・夏の部までは全てアップしましたので

 

名所江戸百景でつねきちが描いた

 

全120枚はこれで全て完了です。

 

最後の一枚は最後の一本松で締めくくり、

 

ということになります。

 

この後、つねきちが描くものは

 

「木曽街道(海道)六十九次」のシリーズになります。

 

また、仕上がった順にアップをさせて頂きます。

 

どうぞよろしくお願い致します。

 

 

本日もご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

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