歌川広重・名所江戸百景・秋の部より

 

「鴻の台とね川風景」

 

つねきち水彩にて模写

 

 

現在の千葉県市川市国府台(こうのだい)

 

にある「里見公園」がある辺りは

 

むかし下総(千葉県北部)の国府が置かれ

 

政治や文化の中心となっていました。

 

 

ここは東京湾や江戸市街が見渡せ

 

戦の際に有利になる為

 

1479年に太田道灌が「国府台城」を築きました。

 

戦国時代には、ここで激しい戦闘が行われましたが

 

徳川家康が天下統一をしてからは

 

防衛上の理由(家臣が謀反を起こさないよう)

 

城は取り壊されてしまったそうです。

 

 

崖のゴツゴツした様子や

 

深い水の色・かっちりとした船体。

 

どれも、つねきちが端正を込め描いたものです。

 

ふつう水彩画は絵の具を薄めて

 

ぼかしで透明感を出し、描くものですが

 

つねきちは色そのものを

 

ストレートに塗り込めます。

 

薄めたり伸ばしたりしないので

 

絵の具はきっと喜んでいる(?)事でしょう。

 

 

浮かんでいるのは「高瀬舟」という木造船で

 

川を渡る時、こうして白い帆をあげていました。

 

この川は現在の江戸川で

 

当時の人々は「利根川」と呼んでいました。

 

国府台は明治時代〜終戦まで

 

軍隊の街として賑わっていたそうで

 

昭和33年に市川市が、市民の憩いの場として

 

「里見公園」を建設しました。

 

その半分は西洋風の庭園で

 

桜やバラなどが植えられています。

 

絵の中の崖が高いのは

 

広重がデフォルメして描いたようですが

 

その崖の根本が水と混ざるところに

 

つねきち流儀の「塗りぼかし」があり

 

水の下をよく見ると

 

崖のさらに下部分がうっすらと

 

描かれているのがわかります。

 

深みと立体感のある、不思議な水彩世界。

 

つねきちの絵に対するストレートな思いが

 

目に焼き付くような一枚です。

 

 

 

本日もご覧いただき、ありがとうございます。

 

 

 

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