歌川広重・名所江戸百景・夏の部より「利根川ばらばらまつ」
つねきち水彩にて模写
現在の東京と千葉の間を流れる
日本最大の川で
漁に使う投網を投げた一瞬を捉え
構図のメインに置いた浮世絵です。
ここで捕れる鯉は
当時、最高級品と言われ
江戸川の投網漁として有名だったそうです。
その上を二匹の鷺(サギ)が
絶妙のタイミングで通過しています。
のどかな夏の風景を引き締める
人と鷺のなせる技。
その向こうに
穏やかな感覚で並ぶ、ばらばらまつ。
この松があった場所は
現在まで定かではないそうです。
浮かんでいるのは行徳船。
もともと千葉の行徳塩田から
塩を運んでいた船ですが、
この頃には他の物資や人も運んでいました。
網の隙間から見える景色が
海から入る爽やかな風を感じさせます。
実はこの絵は元絵と反転していて
鏡絵のようになっています。
(Wikipediaより抜粋)
こちらが元の絵です。
左右が入れ替わっただけで
なんだか違う風景にも見えますね。
そして、つねきちの色合いは鮮やかで
初版のものと近いみたいです。
※浮世絵は何度も刷り直しされ販売されており、顧客の要望などで、その都度色合いが変わったりしたようです。
江戸時代を生きた絵師たちの
瞳に映る本当の色合いが
つねきちの目にも見えているから。
時空を超えた筆と色づかいで
つねきち流儀の夏本番を
迎えることができそうです。
本日もご覧いただき、ありがとうございました。