渓斎英泉/木曽海道六十九次

 

木曾街道 續ノ壹 日本橋 雪之曙

 

きそかいどう つづきのいち にほんばし あけぼの

 

【模写絵師つねきち】2023年ごろ 水彩にて模写

 

 

「木曽街道六十九次」は1835年〜1837年ごろ

 

歌川広重と渓斎英泉が連作で描いた浮世絵のシリーズです。

 

江戸・日本橋と京都・三条大橋を結ぶ

 

69箇所の宿場

 

そして出発地点の日本橋

 

合計70枚で成り立っています。

 

「名所江戸百景」全120枚を描き終えた、つねきちが

 

次に挑戦したのがこちらになります。

 

その、最初の一枚「日本橋雪之曙」は

 

美人画で誉の高い渓斎英泉が作者で

 

つねきちにとって初の模写となりました。

 

(名所江戸百景シリーズは木曽海道六十九次よりも後になります)

 

英泉の筆使いは、つねきちにとって

 

これまで経験したことがないほど

 

細かく斬新で艶やかです。

 

ひとつひとつ検証していきたいと思います。

 

 

絵の左下に描かれているのは

 

軒下で本を読みながら魚を売る男性。

 

その横には大きな魚(河豚?)が置かれ

 

さらに下には蛤らしき貝が並べられています。

 

その手前にいるのが

 

いわゆる棒手振り(ぼてふり)。

 

担いでいるのはマグロでしょうか。

 

威勢が良く活気に溢れた姿です。

 

 

今度は右へ少しずれてみましょう。

 

初鰹(多分)をたくさん持った男性が

 

目の前にいるもう一人の持つ

 

棒に魚の皿をくくりつけようとしています。

 

日本橋に初鰹とは、実に縁起の良い風景です。

 

 

絵の右側へ移ります。

 

まずは手前にいる黒装束の武家らしき人。

 

時代劇によく出てきそうな、

 

ちょっと”いわくつき”な雰囲気の姿です。

 

後ろにある黄色い番傘には

 

当時、この浮世絵の版元がらみ

 

いわゆるスポンサーですが

 

その業者名が入っているようです。

 

黒装束の右側には僧侶らしき人が立っています。

 

左上に行くと、芸者が二人いて

 

「曙(あけぼの)」なので仕事の朝帰りなのでしょうか。

 

芸者の一人は振り返って、含み笑いをしているように見えます。

 

そして、その右横には

 

雪が残る地面の上を、素足に草鞋で

 

大きな荷を運ぶ人夫たちがいます。

 

それをニヤニヤしながら眺める男性もいて

 

この時代ならではの風潮が

 

生々しいほどに伝わってきます。

 

 

こちら画像で見ても大変細かい作風ですが

 

実物は何倍も迫力があります。

 

エグい、と言いたくなるほどの

 

英泉の筆使いを

 

つねきちは、自身の障がい特性である

 

「強いこだわり」を持って

 

ぬかりなく仕上げました。

 

特に、橋の欄干の縦線などは

 

じっと見ていると痒くなってきそうなほど。

 

何年も模写を続けてきた自己流が

 

ハンディキャップを通し

 

まんま技術として生きた。

 

意外な味わいと

 

予定外の面白さ。

 

これだから、アートはやめられません。

 

 

優しくも摩訶不思議な、つねきちの絵の世界。

 

木曽海道はまだまだ続きます。

 

 

 

本日もご覧いただき、ありがとうございます。

 

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