小さい頃にした塗り絵を
思い出した



綺麗に区切られたスペースを
色鉛筆や
クーピーで塗っていくのだが



わたしは
いかに枠をはみ出さずに塗るのに
かなり必死だった



小さなわたしにとって
枠をはみ出さないことが
完璧で美しかったのだ



大きくなって
色んなことをみて
体験して
枠にとらわれなくても
綺麗な完璧な世界がたくさんあることを知った



完璧に整ってなくても
不完全な美しさも知った



だけど
知っていても
わたしは枠からあまり出れないでいる



さくっと
出れてしまう人を
とても羨ましく思うのだ



出れる努力はするけれど
いつまで経っても
出れる気がしない



そしてわたしは
本当に出たいのだろうか



薄いガラス1枚で
隔てられた向こう側を眺めているのが
本当は好きなのかもしれない