「調整が終わったら連絡を差し上げますから。」
とにこやかに店員さんに見送られて向かい側にある喫茶店に私達はやってきた。窓際の席にテーブルを挟んで座り、他愛もない話をする。こんなふうに敦賀さんと過ごす時間がとても楽しくて心地いい。私は窓の外に視線を向ける。ガラスに写る敦賀さんの顔を見ながらちょっぴり思ってしまう。『ほんのちょっとだけ、敦賀さんも同じ様に思ってくれたらいいな…』
ガラスに写る敦賀さんとふと眼があった気がしてドキッとする。ガラスの中の敦賀さんはにっこら笑いかけてくれた。そして「こんな時間も楽しいね?」とおっしゃる。
つ…敦賀さん!今私の頭の中。除いてましたねっ!
私は内心の動揺を必死に隠しながら「はいっ!」と元気よく返事を返した。敦賀さんはクスッと笑って「よかった…」と小さく呟く。
えっ!?
敦賀さん、今『よかった』って仰いましたよね?それって…、私は、少しだけ期待しちゃってもいいんですか?
私は今更直接敦賀さんの顔を見るなんて出来なくて、ガラスの中の敦賀さんを見ていた。敦賀さんは穏やかな表情で窓の外の景色を眺めてらっしゃる。本当はガラスの中の私を見ていてくださればいいのにと、分不相応な願いが浮かんできたので、私はキュッと瞼をきつく閉じて下を向いてしまった。すると正面から敦賀さんの声が届く。「どうしたの?」と心配そうな声に思わず顔をあげると少し慌てたような敦賀さんの顔に出会う。
あれ…?
今なんで解ったの?
まさか、見ていてくださったの?
「だ、大丈夫です。ちょっと目が痒かったので…。」
「そう、ならいいけど…。」
少しの沈黙。少しだけ気まずい…かな?
敦賀さんの携帯がテーブルの上で震えだした。
「「あっ!」」
自転車屋さんからの呼び出し電話だった。
「さぁ、受け取りにいこうか?」
「はい。」
私達は会計を済ませるとき、ついでにクッキーの箱を一つ買い、さっきの自転車屋さんに向かった。
とにこやかに店員さんに見送られて向かい側にある喫茶店に私達はやってきた。窓際の席にテーブルを挟んで座り、他愛もない話をする。こんなふうに敦賀さんと過ごす時間がとても楽しくて心地いい。私は窓の外に視線を向ける。ガラスに写る敦賀さんの顔を見ながらちょっぴり思ってしまう。『ほんのちょっとだけ、敦賀さんも同じ様に思ってくれたらいいな…』
ガラスに写る敦賀さんとふと眼があった気がしてドキッとする。ガラスの中の敦賀さんはにっこら笑いかけてくれた。そして「こんな時間も楽しいね?」とおっしゃる。
つ…敦賀さん!今私の頭の中。除いてましたねっ!
私は内心の動揺を必死に隠しながら「はいっ!」と元気よく返事を返した。敦賀さんはクスッと笑って「よかった…」と小さく呟く。
えっ!?
敦賀さん、今『よかった』って仰いましたよね?それって…、私は、少しだけ期待しちゃってもいいんですか?
私は今更直接敦賀さんの顔を見るなんて出来なくて、ガラスの中の敦賀さんを見ていた。敦賀さんは穏やかな表情で窓の外の景色を眺めてらっしゃる。本当はガラスの中の私を見ていてくださればいいのにと、分不相応な願いが浮かんできたので、私はキュッと瞼をきつく閉じて下を向いてしまった。すると正面から敦賀さんの声が届く。「どうしたの?」と心配そうな声に思わず顔をあげると少し慌てたような敦賀さんの顔に出会う。
あれ…?
今なんで解ったの?
まさか、見ていてくださったの?
「だ、大丈夫です。ちょっと目が痒かったので…。」
「そう、ならいいけど…。」
少しの沈黙。少しだけ気まずい…かな?
敦賀さんの携帯がテーブルの上で震えだした。
「「あっ!」」
自転車屋さんからの呼び出し電話だった。
「さぁ、受け取りにいこうか?」
「はい。」
私達は会計を済ませるとき、ついでにクッキーの箱を一つ買い、さっきの自転車屋さんに向かった。