「かわいいっ!」
私はそのコーナーの奥の方にあった真っ赤な自転車に心を奪われてしまった。敦賀さんはそんな私の頭をポンポンっと撫でて、店員さんに「彼女の気に入った自転車を見せてあげてください。」とおっしゃる。「えっ?そんなつもりじゃ…」と戸惑う私に、敦賀さんはにっこり笑顔を返してくださる。
その自転車は折り畳みの小径自転車で、造りすごくしっかりしているように見えた。なのに、店員さんはひょいっと片手で持ち上げて私の前に差し出してくれり私は驚いて店員さんの顔を見上げると、「このメーカーは折り畳み専門なんですよ。輪行基本なんで軽い事が基本。だけど実力は侮れません。」と自慢げに説明してくれた。
敦賀さんは別の自転車に興味を持たれたようで、驚いている私をちらっと見ながら壁にかけてある白い自転車を指差された。
「俺の身長でもあの自転車に乗れますか?」と聞く敦賀さんに「大丈夫ですよ。一般の自転車と違ってサドルポストはかなり長いんです。あれはロードタイプですからよく走りますし、しかも、お嬢さんの選んだものよりも軽いんです。」とにこやかに説明している。
敦賀さんが選んだものと私が選んだものを店員さんが下まで下ろしてくれた。実際に乗ってみないと解らないからと、店員さんは近所を少し走ってくるようにと私たちを見送ってくれた。
敦賀さんがペダルに足をかけてゆっくり走り出す。私もその大きな背中を追いかけて走り出した。
とても気持ちよくて爽やか。私の思い通りに走ってくれる真っ赤な自転車。こんなに乗りやすい自転車は初めてだ。嬉しくて仕方ない。敦賀さんはどうなんだろう?
五分ほど走ってお店に戻ってきた。店員さんはにこやかに出迎えてくれた。
「いかがでしたか?」
「俺はこういうタイプの自転車は初めてだけど、すごく快適だったよ。最上さんはどう?」
「はい、軽やかで楽しかったです!」
「よかった。気に入ってくれたんだね。じゃあ、これ二台ください。」
「えっ?敦賀さん、そんなっ!私は…」
「俺の楽しい時間を共有してくれるんだろ?」
「そ、それは勿論!でも、贅沢ですよっ!私は今使ってるので十分で…。」
「俺ん家に置いておけばいい。一緒に買い物とか行くのにも便利だろ?」
「…はぁ。」
店員さんはぶりのやり取りを少しはらはらしながら聞いていたが、まとまってどころでほっと息をついた。
「では、カスタマイズしましょうか?」
店員さんもニコニコだ。
私はそのコーナーの奥の方にあった真っ赤な自転車に心を奪われてしまった。敦賀さんはそんな私の頭をポンポンっと撫でて、店員さんに「彼女の気に入った自転車を見せてあげてください。」とおっしゃる。「えっ?そんなつもりじゃ…」と戸惑う私に、敦賀さんはにっこり笑顔を返してくださる。
その自転車は折り畳みの小径自転車で、造りすごくしっかりしているように見えた。なのに、店員さんはひょいっと片手で持ち上げて私の前に差し出してくれり私は驚いて店員さんの顔を見上げると、「このメーカーは折り畳み専門なんですよ。輪行基本なんで軽い事が基本。だけど実力は侮れません。」と自慢げに説明してくれた。
敦賀さんは別の自転車に興味を持たれたようで、驚いている私をちらっと見ながら壁にかけてある白い自転車を指差された。
「俺の身長でもあの自転車に乗れますか?」と聞く敦賀さんに「大丈夫ですよ。一般の自転車と違ってサドルポストはかなり長いんです。あれはロードタイプですからよく走りますし、しかも、お嬢さんの選んだものよりも軽いんです。」とにこやかに説明している。
敦賀さんが選んだものと私が選んだものを店員さんが下まで下ろしてくれた。実際に乗ってみないと解らないからと、店員さんは近所を少し走ってくるようにと私たちを見送ってくれた。
敦賀さんがペダルに足をかけてゆっくり走り出す。私もその大きな背中を追いかけて走り出した。
とても気持ちよくて爽やか。私の思い通りに走ってくれる真っ赤な自転車。こんなに乗りやすい自転車は初めてだ。嬉しくて仕方ない。敦賀さんはどうなんだろう?
五分ほど走ってお店に戻ってきた。店員さんはにこやかに出迎えてくれた。
「いかがでしたか?」
「俺はこういうタイプの自転車は初めてだけど、すごく快適だったよ。最上さんはどう?」
「はい、軽やかで楽しかったです!」
「よかった。気に入ってくれたんだね。じゃあ、これ二台ください。」
「えっ?敦賀さん、そんなっ!私は…」
「俺の楽しい時間を共有してくれるんだろ?」
「そ、それは勿論!でも、贅沢ですよっ!私は今使ってるので十分で…。」
「俺ん家に置いておけばいい。一緒に買い物とか行くのにも便利だろ?」
「…はぁ。」
店員さんはぶりのやり取りを少しはらはらしながら聞いていたが、まとまってどころでほっと息をついた。
「では、カスタマイズしましょうか?」
店員さんもニコニコだ。