急に寒くなって、あったかい上着を衣装ケースから出してハンガーにかけた。マフラーと手袋、あったかい小物も棚の上に並べてほっと一息。
「どうしたの?」
開けたままにしてあった扉に凭れてコートを着たままの敦賀さんがそう問いかける。
「あっ、お帰りなさい。急に寒くなって来たから冬支度をと思いまして、マフラーとか手袋とか…」
「そうなんだ、君の持ち物は可愛いね?」
「ど、どうせ子供っぽいですから…」
この人はいつも私を子供扱いする。こうやって一緒に暮らすようになってもあまり変わらないんだ。
敦賀さんはゆっくり部屋の中に入ってきて棚の上の小物を眺めていた。それは子供や動物を見るような柔らかくて慈しむような表情。私はそれがなんとなく寂しくて、敦賀さんに背を向けるように体の向きを変えて、俯いて小さくため息を吐く。
後ろでは敦賀さんがクスッと笑った気配がした。そして大きな手に頭を撫でられる感覚。あ、笑われた。やっぱり敦賀さんからしたら私は子供なんだ…。段々悲しくなってくる。
反対側の手で体を引き寄せられて、そのまま後ろから抱き締められる。安心して背中を預けられる胸、心地よい拘束、大好きな敦賀さんの匂い。私はさっきとは違う小さなため息を吐く。
「あったかいね?」
「えっ?」
「君がいてくれたら俺はいつだってあったかいんだ。」
「…あ、あの?」
慌てて振り返るとさっきまでとは全然違う、大きなわんこの顔がそこにあった。
私は思わず手を伸ばし、敦賀さんの頭をそっとなでる。敦賀さんは目を閉じて気持ち良さそうにされるがままになって、私に凭れかかってくる。
「敦賀さん、重い…ですよ」
私は必死で敦賀さんの大きな体を支えながら小さく抗議する。敦賀さんは着ているコートの中に私をすっぽりとくるんで、その上からまた優しく拘束する。
「これなら俺もあったかい。」
「私は、あったか小物じゃありませんよっ!」
私の言葉に反応して、腕の拘束が強くなる。だめだ、この人にはやっぱり勝てない。
この冬は少し薄着でもいいかも知れない。
「どうしたの?」
開けたままにしてあった扉に凭れてコートを着たままの敦賀さんがそう問いかける。
「あっ、お帰りなさい。急に寒くなって来たから冬支度をと思いまして、マフラーとか手袋とか…」
「そうなんだ、君の持ち物は可愛いね?」
「ど、どうせ子供っぽいですから…」
この人はいつも私を子供扱いする。こうやって一緒に暮らすようになってもあまり変わらないんだ。
敦賀さんはゆっくり部屋の中に入ってきて棚の上の小物を眺めていた。それは子供や動物を見るような柔らかくて慈しむような表情。私はそれがなんとなく寂しくて、敦賀さんに背を向けるように体の向きを変えて、俯いて小さくため息を吐く。
後ろでは敦賀さんがクスッと笑った気配がした。そして大きな手に頭を撫でられる感覚。あ、笑われた。やっぱり敦賀さんからしたら私は子供なんだ…。段々悲しくなってくる。
反対側の手で体を引き寄せられて、そのまま後ろから抱き締められる。安心して背中を預けられる胸、心地よい拘束、大好きな敦賀さんの匂い。私はさっきとは違う小さなため息を吐く。
「あったかいね?」
「えっ?」
「君がいてくれたら俺はいつだってあったかいんだ。」
「…あ、あの?」
慌てて振り返るとさっきまでとは全然違う、大きなわんこの顔がそこにあった。
私は思わず手を伸ばし、敦賀さんの頭をそっとなでる。敦賀さんは目を閉じて気持ち良さそうにされるがままになって、私に凭れかかってくる。
「敦賀さん、重い…ですよ」
私は必死で敦賀さんの大きな体を支えながら小さく抗議する。敦賀さんは着ているコートの中に私をすっぽりとくるんで、その上からまた優しく拘束する。
「これなら俺もあったかい。」
「私は、あったか小物じゃありませんよっ!」
私の言葉に反応して、腕の拘束が強くなる。だめだ、この人にはやっぱり勝てない。
この冬は少し薄着でもいいかも知れない。