side社
蓮はここぞとばかりにキョーコちゃんを独り占めしている。キョーコちゃんをエスコートして歩く連の背中には特大のハートマークと『至福』という字がしっかり浮かんでいる。きっと顔も緩みきっている事だろう。おり蓮、『敦賀蓮』のイメージ崩す事だけはやめてくれよっ!
だけど、こんな幸せそうな蓮もなかなか見れないからなぁ、お兄ちゃん嬉しいよ。後でしっかり遊んでやるからなぁ。
廊下を少しいくと今回のデザイナーのジョンが壁に凭れて俺達を待っていた。
蓮が軽く手をあげて挨拶をする。
「やぁジョン、お疲れさま。」
「蓮、今日はありがとう。黒崎が『いい絵が撮れたから後は俺がアートにする』って喜んでたよ。お嬢さんもお疲れさま、ありがとうね。」
キョーコちゃんは慌てて蓮から体を離して頭を下げる。「いえ、私こそありがとうございました。至らなかったと思いますが…」
そこまで言って、やはりまだ足が不安定なのかよろめきかけて蓮に支えられた。
「お嬢さん大丈夫かい?蓮の色気にあてられたんだろう?」
「ジョン、酷いなぁ。俺は毒を出したりしないよ。」
「蓮は気づいてないだけさ。世の女性達が蓮のあんな表情見たらどうなるか。このお嬢さんはそんな必殺技を至近距離で受け続けたんだ。支えられて歩けるなんて奇跡だよ。」と心底関心している。蓮、俺もジョンに同感だぞ。しかもキョーコちゃん相手だからっていつもの二倍増しで甘々しいんだからな。
「あ、蓮。今回の撮影はノーギャラって知ってるか?」とジョンが聞く。「なんせ蓮の我が儘なオーダーから始まった企画だ。文句は言えないだろ?」
「うん、俺は構わないよ。ギャラでは換算出来ない素敵なものをたくさん貰ったし。ただ、最上さんは…「私もノーギャラでOKしてますから安心してくださいっ!」えっ?そうなの?」
蓮は鋭い視線で俺を振り返る。いやいや、怖いからやめていただけると嬉しいです、蓮くん。
「社長も本人も了承済みだ。今更怒るなよ、蓮」とたしなめると蓮は諦めたように小さくため息を溢してキョーコちゃんに視線を移した。「ごめんね、最上さん。」しゅんとした蓮の頭には何故か犬の耳が見える。
キョーコちゃんも慌てて「大丈夫ですからっ!」とあたふたしている。
そこにジョンが話を続ける。
「お嬢さん、今回のiPoneケース、初回ロットは二つだけなんだ。」
キョーコちゃんはもちろん、蓮も俺も驚いた。
蓮はここぞとばかりにキョーコちゃんを独り占めしている。キョーコちゃんをエスコートして歩く連の背中には特大のハートマークと『至福』という字がしっかり浮かんでいる。きっと顔も緩みきっている事だろう。おり蓮、『敦賀蓮』のイメージ崩す事だけはやめてくれよっ!
だけど、こんな幸せそうな蓮もなかなか見れないからなぁ、お兄ちゃん嬉しいよ。後でしっかり遊んでやるからなぁ。
廊下を少しいくと今回のデザイナーのジョンが壁に凭れて俺達を待っていた。
蓮が軽く手をあげて挨拶をする。
「やぁジョン、お疲れさま。」
「蓮、今日はありがとう。黒崎が『いい絵が撮れたから後は俺がアートにする』って喜んでたよ。お嬢さんもお疲れさま、ありがとうね。」
キョーコちゃんは慌てて蓮から体を離して頭を下げる。「いえ、私こそありがとうございました。至らなかったと思いますが…」
そこまで言って、やはりまだ足が不安定なのかよろめきかけて蓮に支えられた。
「お嬢さん大丈夫かい?蓮の色気にあてられたんだろう?」
「ジョン、酷いなぁ。俺は毒を出したりしないよ。」
「蓮は気づいてないだけさ。世の女性達が蓮のあんな表情見たらどうなるか。このお嬢さんはそんな必殺技を至近距離で受け続けたんだ。支えられて歩けるなんて奇跡だよ。」と心底関心している。蓮、俺もジョンに同感だぞ。しかもキョーコちゃん相手だからっていつもの二倍増しで甘々しいんだからな。
「あ、蓮。今回の撮影はノーギャラって知ってるか?」とジョンが聞く。「なんせ蓮の我が儘なオーダーから始まった企画だ。文句は言えないだろ?」
「うん、俺は構わないよ。ギャラでは換算出来ない素敵なものをたくさん貰ったし。ただ、最上さんは…「私もノーギャラでOKしてますから安心してくださいっ!」えっ?そうなの?」
蓮は鋭い視線で俺を振り返る。いやいや、怖いからやめていただけると嬉しいです、蓮くん。
「社長も本人も了承済みだ。今更怒るなよ、蓮」とたしなめると蓮は諦めたように小さくため息を溢してキョーコちゃんに視線を移した。「ごめんね、最上さん。」しゅんとした蓮の頭には何故か犬の耳が見える。
キョーコちゃんも慌てて「大丈夫ですからっ!」とあたふたしている。
そこにジョンが話を続ける。
「お嬢さん、今回のiPoneケース、初回ロットは二つだけなんだ。」
キョーコちゃんはもちろん、蓮も俺も驚いた。