サイド蓮
クリスマスパーティーの帰りという設定で俺達はアルマンディのカジュアルな衣装に着替えた。俺は黒のカジュアルジャケットに細身のスラックス。カシミヤのマフラーを巻いてベージュのロングコートを羽織った。軟らかい質感のセカンドバッグを手に持っている。最上さんは淡いピンクのワンピースにオフホワイトのカーディガン、その上には薄手のダウンコートを着ていた。
最上さんってこういう淡い色がよく似合うよなぁ。やっぱり凄く可愛い。撮影間際につい彼女に見惚れてしまった。
撮影は二人が店に入って来るところからだった。
最上さんは俺の左後ろを付いてくる。店に入ると馴染みのマスターが「カウンターへどうぞ」とカウンターの奥の方に視線を向けた。俺達は促されるままに奥の席に並んで座った。程なくいつもの飲み物が前に置かれ、俺達は乾杯する。
少し他愛のない会話をして、そろそろ頃合いかというどころで俺はジャケットの内ポケットからさっき受け取った包みを出して彼女に差し出す。「かなり早いけどクリスマスプレゼントだよ。」というと、「まだ半年以上ありますもの、ね?」と返してくれる。
「綺麗な包装紙。これってアルマンディのですか?私、初めて見ました。」
「うん、それはそうだよ、アルマンディのCMだからね?」
この子は面白い事をいうなぁと思ってしまう。
「開けてみて?」というと最上さんは包装紙を破かないように慎重に梱包を解き始める。俺はテーブルに頬杖をついて、丁寧に作業を進める最上さんの指先を見ていた。
(綺麗だなぁ、可愛らしい爪だなぁ)
俺は、最上さんのものなら何でもかんでも可愛らしく思えるらしい。こんな危険な病気にかかってしまっていたとは…。
木箱から出てきたのはライトブラウンのiPoneケースで、最上さんは思いの外喜んでくれている。
「これって私のiPoneに使えるタイプのケースですよね?私、まだ用意出来てなくてっ!」嬉しそうにそう告げられると、俺は心の中でガッツポーズをしてしまった。
彼女はバッグからiPoneを取り出して早速付けようとしているがなかなか上手くできないようだ。俺はiPoneとケースを取り上げてささっと付けてあげる。すると彼女の顔がぱぁっとほころんだ。
「ありがとうございます。」といつもより控えめの声で微笑んでiPoneを嬉しそうに眺めていたが、「あれ?」とカードケースに何かが入っている事に気付いた。
クリスマスパーティーの帰りという設定で俺達はアルマンディのカジュアルな衣装に着替えた。俺は黒のカジュアルジャケットに細身のスラックス。カシミヤのマフラーを巻いてベージュのロングコートを羽織った。軟らかい質感のセカンドバッグを手に持っている。最上さんは淡いピンクのワンピースにオフホワイトのカーディガン、その上には薄手のダウンコートを着ていた。
最上さんってこういう淡い色がよく似合うよなぁ。やっぱり凄く可愛い。撮影間際につい彼女に見惚れてしまった。
撮影は二人が店に入って来るところからだった。
最上さんは俺の左後ろを付いてくる。店に入ると馴染みのマスターが「カウンターへどうぞ」とカウンターの奥の方に視線を向けた。俺達は促されるままに奥の席に並んで座った。程なくいつもの飲み物が前に置かれ、俺達は乾杯する。
少し他愛のない会話をして、そろそろ頃合いかというどころで俺はジャケットの内ポケットからさっき受け取った包みを出して彼女に差し出す。「かなり早いけどクリスマスプレゼントだよ。」というと、「まだ半年以上ありますもの、ね?」と返してくれる。
「綺麗な包装紙。これってアルマンディのですか?私、初めて見ました。」
「うん、それはそうだよ、アルマンディのCMだからね?」
この子は面白い事をいうなぁと思ってしまう。
「開けてみて?」というと最上さんは包装紙を破かないように慎重に梱包を解き始める。俺はテーブルに頬杖をついて、丁寧に作業を進める最上さんの指先を見ていた。
(綺麗だなぁ、可愛らしい爪だなぁ)
俺は、最上さんのものなら何でもかんでも可愛らしく思えるらしい。こんな危険な病気にかかってしまっていたとは…。
木箱から出てきたのはライトブラウンのiPoneケースで、最上さんは思いの外喜んでくれている。
「これって私のiPoneに使えるタイプのケースですよね?私、まだ用意出来てなくてっ!」嬉しそうにそう告げられると、俺は心の中でガッツポーズをしてしまった。
彼女はバッグからiPoneを取り出して早速付けようとしているがなかなか上手くできないようだ。俺はiPoneとケースを取り上げてささっと付けてあげる。すると彼女の顔がぱぁっとほころんだ。
「ありがとうございます。」といつもより控えめの声で微笑んでiPoneを嬉しそうに眺めていたが、「あれ?」とカードケースに何かが入っている事に気付いた。