その日、私はだるま屋でアルバイトをしていた。忙しい昼時を乗り越えて女将さんが『キョーコちゃん、休憩しておくれ?』と優しく声をかけられて素直に部屋に上がってきた。愛用のちゃぶ台の上にはまだ使い慣れていないiPone。何気に手にとった途端、着信を知らせる音を発しながら震えだした。
(っひっ!)
未だに携帯電話になんて慣れてない私は、いちいち驚いて緊張してしまう。思わずきちんと正座し直して画面の通話ボタンにタッチしてiPoneを耳に当てた。
相手『敦賀です』
なんだかとても穏やかで軟らかいテノールが耳から私の脳を揺さぶる。
私『……(えっ、なに?)?ど、どういったご用件でしょうか?』
相手『敦賀です』
この素敵な声には確かに聞き覚えがある。
私『ど、どちらにおかけでしょうか?』(う、嘘?)
相手『最上さん…だよね?』
私『…、いえっ、私はただの女子高生でございますっ!』
思わず叫んで通話をぶったぎってしまった。
あまりに想定外の出来事に動揺してしまって暫くの間通話の途切れたiPoneを握りしめて放心状態。ようやく動き出した頭でつい今しがた起こった事を思い返す。
電話の相手は『敦賀です。』と言った。『最上さん…、だよね?』と言った…。
敦賀…、敦賀…、……、はっ!
もしかして敦賀さんっ?!
体から一気に血の気が引いていく。私は大先輩を相手になんと失礼な対応をっ!
いや、それよりなんで敦賀さんが私に電話なんてかけてくるのよぉっ!
しかも、着信履歴を見ると今まで見た事のない電話番号がそこにあって、だからすぐに敦賀さんだと気付かなかった私。(これって私物の番号って事なのかしら?)
そんな事に想いを巡らせているとまたiPoneが震えだした。軽やかな着信音は私のお気に入り。ディスプレイにはさっき見たばかりの番号が表示されている。私は…大きく息を吸い込んで通話ボタンにタッチして、開口一発全力で叫んだ。
『申し訳ございませんでした!!』
相手には見えないとわかりつつも必死で土下座スタイル。
数秒の間があって、電話の向こうでクスクスと笑う声が聞こえ始める。最初は小さかった笑いが段々大きくなって、堪えきれないとばかりに大笑いに変わる。
『まいったな、最上さんには敵わない。これ、俺のプライベートの携帯だから登録しといてね。』
敦賀さんはそれだけいうと、まだ笑いながら『出番らしいから』と電話を切ってしまった。私はほんわかした気分になった。
(っひっ!)
未だに携帯電話になんて慣れてない私は、いちいち驚いて緊張してしまう。思わずきちんと正座し直して画面の通話ボタンにタッチしてiPoneを耳に当てた。
相手『敦賀です』
なんだかとても穏やかで軟らかいテノールが耳から私の脳を揺さぶる。
私『……(えっ、なに?)?ど、どういったご用件でしょうか?』
相手『敦賀です』
この素敵な声には確かに聞き覚えがある。
私『ど、どちらにおかけでしょうか?』(う、嘘?)
相手『最上さん…だよね?』
私『…、いえっ、私はただの女子高生でございますっ!』
思わず叫んで通話をぶったぎってしまった。
あまりに想定外の出来事に動揺してしまって暫くの間通話の途切れたiPoneを握りしめて放心状態。ようやく動き出した頭でつい今しがた起こった事を思い返す。
電話の相手は『敦賀です。』と言った。『最上さん…、だよね?』と言った…。
敦賀…、敦賀…、……、はっ!
もしかして敦賀さんっ?!
体から一気に血の気が引いていく。私は大先輩を相手になんと失礼な対応をっ!
いや、それよりなんで敦賀さんが私に電話なんてかけてくるのよぉっ!
しかも、着信履歴を見ると今まで見た事のない電話番号がそこにあって、だからすぐに敦賀さんだと気付かなかった私。(これって私物の番号って事なのかしら?)
そんな事に想いを巡らせているとまたiPoneが震えだした。軽やかな着信音は私のお気に入り。ディスプレイにはさっき見たばかりの番号が表示されている。私は…大きく息を吸い込んで通話ボタンにタッチして、開口一発全力で叫んだ。
『申し訳ございませんでした!!』
相手には見えないとわかりつつも必死で土下座スタイル。
数秒の間があって、電話の向こうでクスクスと笑う声が聞こえ始める。最初は小さかった笑いが段々大きくなって、堪えきれないとばかりに大笑いに変わる。
『まいったな、最上さんには敵わない。これ、俺のプライベートの携帯だから登録しといてね。』
敦賀さんはそれだけいうと、まだ笑いながら『出番らしいから』と電話を切ってしまった。私はほんわかした気分になった。