撮影中****
ゼミの一件以来上野はみのとよく関わるようになった。折に触れてみのるの知識の広さに驚き、多才さに惹かれたという。またみのるも上野と関わる事を望んだので今の関係があるのだと上野は話す。
「それでね、俺はあいつの女房役をしようと思ったんだ。」「なんか怖い夫婦ね。」「あいつはアーキテクチャだ。でも、売り込んだりは出来ない。あいつの才能を活かすにはしっかりプロデュースして支える人間が必要なんだよ。俺はどちらかといえばそっち方面に長けているらしくて、今のところ順調にみのるの才能を売り込み始めてるんだ。」「二人で起業するのね?」「うん。あいつの才能と俺のブレイン。かなり強力だと思うよ。」とまたコーヒーを一口飲む上野。まゆみは眩しいものを見る視線を上野にむける。
「まゆみちゃんは将来の事とか考えてたりする?」と聞かれてはっとする。昨夜の両養親との会話を思い出す。「…いえ、まだ…。」まゆみは俯いてしまう。「そうなんだ、よかった!「えっ?」「俺達と一緒にやってみないかい?」「…えっ?」
まゆみは目を見開いた。まさか自分にそんな声がかかるなどとは考えてもみなかったからひたすら驚いた。「私は…何も出来ない…」「そんなことないよ、まぁ、まだ卒業まで一年以上あるんだ。特に就活とかもしないなら頭の片隅にでもとめといてくれると嬉しい。」上野は穏やかな笑顔のままコーヒーを飲む。
「この後予定とかあるの?」「えっ?」急に変わった話題にまたまゆみは驚いてしまった。「もう少し横浜の街を歩きたいんだ。」「私、ガイドは出来ないわよ?」「うん。まゆみちゃんの散歩道とか教えてくれたら嬉しいな。」「そんなのでいいの?」「もちろん。」と満足そうな表情で上野は席を立つ。伝票を持ってレジへ歩いていく。まゆみも慌てて追いかける。スマートに会計を済ませて店を出る上野についてまゆみも店を出た。「では、ガイドは任せたよ、よろしくお願いします。」と笑いかける上野にまゆみも笑顔を返す。二人はのんびりと歩きだした。
二人は山下公園に来た。有名な観光地ではあるが大きな公園はゆったりとした時間が流れていた。まゆみがお勧めだというソフトクリームをベンチに座って食べる。「上野くんは甘い物は大丈夫なんだ?」「あぁ、好き嫌いはそんなにないんだ。大人の珍味から砂糖菓子まで守備範囲は広いよ。」そんな他愛ない会話を楽しみながら子供達が遊ぶ姿を眺めて過ごしていた。
ゼミの一件以来上野はみのとよく関わるようになった。折に触れてみのるの知識の広さに驚き、多才さに惹かれたという。またみのるも上野と関わる事を望んだので今の関係があるのだと上野は話す。
「それでね、俺はあいつの女房役をしようと思ったんだ。」「なんか怖い夫婦ね。」「あいつはアーキテクチャだ。でも、売り込んだりは出来ない。あいつの才能を活かすにはしっかりプロデュースして支える人間が必要なんだよ。俺はどちらかといえばそっち方面に長けているらしくて、今のところ順調にみのるの才能を売り込み始めてるんだ。」「二人で起業するのね?」「うん。あいつの才能と俺のブレイン。かなり強力だと思うよ。」とまたコーヒーを一口飲む上野。まゆみは眩しいものを見る視線を上野にむける。
「まゆみちゃんは将来の事とか考えてたりする?」と聞かれてはっとする。昨夜の両養親との会話を思い出す。「…いえ、まだ…。」まゆみは俯いてしまう。「そうなんだ、よかった!「えっ?」「俺達と一緒にやってみないかい?」「…えっ?」
まゆみは目を見開いた。まさか自分にそんな声がかかるなどとは考えてもみなかったからひたすら驚いた。「私は…何も出来ない…」「そんなことないよ、まぁ、まだ卒業まで一年以上あるんだ。特に就活とかもしないなら頭の片隅にでもとめといてくれると嬉しい。」上野は穏やかな笑顔のままコーヒーを飲む。
「この後予定とかあるの?」「えっ?」急に変わった話題にまたまゆみは驚いてしまった。「もう少し横浜の街を歩きたいんだ。」「私、ガイドは出来ないわよ?」「うん。まゆみちゃんの散歩道とか教えてくれたら嬉しいな。」「そんなのでいいの?」「もちろん。」と満足そうな表情で上野は席を立つ。伝票を持ってレジへ歩いていく。まゆみも慌てて追いかける。スマートに会計を済ませて店を出る上野についてまゆみも店を出た。「では、ガイドは任せたよ、よろしくお願いします。」と笑いかける上野にまゆみも笑顔を返す。二人はのんびりと歩きだした。
二人は山下公園に来た。有名な観光地ではあるが大きな公園はゆったりとした時間が流れていた。まゆみがお勧めだというソフトクリームをベンチに座って食べる。「上野くんは甘い物は大丈夫なんだ?」「あぁ、好き嫌いはそんなにないんだ。大人の珍味から砂糖菓子まで守備範囲は広いよ。」そんな他愛ない会話を楽しみながら子供達が遊ぶ姿を眺めて過ごしていた。