サイド貴島

やっぱり、京子ちゃん、可愛いよなぁ。俺も今まで沢山の女優やタレントと仕事をしてきて、気に入った娘は必ず口説いてきたけど、京子ちゃんも勿論口説きたい女の子だよ。でも、難しそうだよなぁ。
そんな俺には今日の撮影は好機以外の何者でもないっ!
なんせ、上野とまゆみちゃんのデートの話を1日かけて撮影するんだからなぁ。上野は爽やかでいい奴。高感度かなり高いキャラだから、それに乗っかってまゆみちゃんを演じている京子ちゃんにアプローチ出来るぞっ!

なのに何だよ…。なんでスタジオの隅に敦賀くんがいるんだよぉ。最近付いたというマネージャーだけでも大変なのに、敦賀くんと社くんまでいるなんて…。しかも敦賀くん、視線が痛い、痛いんですけど…。
休憩に入って京子ちゃんはマネージャーからミネラルウォーターとタオルを受け取って敦賀くんの方へ。そんな京子ちゃんを「お帰り。」と迎え入れる敦賀くん。俺の割り込む余地はない。
ロケバスでは絶対隣の席を押さえようと思ってたのに、京子ちゃんはロケバスには乗らないって話だからここにもチャンスは訪れない。
ふとスタジオの隅っこで話をしている京子ちゃんと敦賀くんを見れば、いつもより深い笑みを浮かべる敦賀くんとそんな敦賀くんを見上げてちょっとはにかんだ笑顔で応じる京子ちゃん…。なんだよ、つまんないなぁ。そんな俺はなぜか敦賀くんと目があってしまった。彼は俺を見た途端、あまりにも綺麗すぎる笑顔を浮かべる。まるで「この娘は俺のものだから」と言われているようだ。俺、帰っちゃってもいいかなぁ…。
とりあえず、ボウリングの腕前と軽くてテンポのいい会話で俺の印象はそう悪くはないはずだ。次は二人で話をするシーンもまだ残っている。撮影が終わったらみんなで晩御飯って聞いてるからそこもチャンスだよな、俺っ!

俺がこんなに女の子に一生懸命になるなんて思わなかったよ。京子ちゃんの魅力は計り知れない。他の女優やタレントの女の子達とはちょっと違うんだよな。敦賀くんもそんな彼女に惹かれてるのかも知れない。敦賀くんが相手だと敵わないかも知れないなぁ。でも、こんなに気持ち揺さぶられたら行くしかないでしょ。

よし、それじゃ、気合い入れ直しますかっ!