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先日のこの報道は私達の記憶にもまだ新しい内容です。が、この後、敦賀さんはファッション誌の取材の為に出版社が設定した会議室に赴いて取材を受けていらっしゃいます。その取材を担当した記者との会話がボイスレコーダーに残っている訳ですが…、と、とりあえず聞いていただきましょう!
記「それは…、敦賀さんが京子さんに好意をお持ちという事ですか?」
蓮「ええ。京子さんの事はすきですよ。」
記「えっ、それはどういう意味ですか?恋愛感情ととって問題ないですか?」
蓮「彼女は今回の役作りにも一生懸命でした。それは俺の目に好意的に映ったので協力したんです。」
記「それは敦賀さんが京子さんを『好き』だからじゃないんですか?」
蓮「ええ、好きですよ。凄く泣き虫で、一途で、何事にも一生懸命。それが彼女です。その全てが魅力的で俺を引き寄せます。俺だけじゃない。京子さんと一緒に仕事をした人は皆さん彼女を好きになる。老若男女を問わず、彼女に魅了されてしまうんです。」
記「はぁ、でも京子さんはまだ新人でそれほど知名度もありませんし、敦賀さんが力説するほどには…」
蓮「ご存知ですか?京子さんは、彼女はうちの社長、ローリー宝田の秘蔵っ子と言われているという事を…。」
記「えっ?あの宝田さんの眼鏡に叶っているんですか…?」
蓮「断言してもいい。近い将来、彼女は日本全国にその実力を認められる。『敦賀蓮』の名前などちっぽけに思えるほどに彼女は成長します。だから、今はこんなスキャンダル紛いの些細な事で彼女の可能性を、俺達の希望を潰さないでくださいませんか?」
記「……はい。」
このやり取りの後には本題の取材がなされたとの事で割愛させていただきます。が、これはかなりのスクープですよっ!
******
画面の中で鼻息も荒く捲し立てるリポーターの声は少し上ずっているように聞こえる。蓮は『そんな事もあったかな?』といつもと変わらないまま。その腕の中にいるキョーコは蓮に身を預けたまま驚きに目を見開いて蓮を見上げている。
あの日の蓮はとても優しかった。泣く事しか出来なかったキョーコを支えてはげましてくれた。キョーコはその蓮の優しさだけで十分だと思っていた。それなのにキョーコの知らないところでまで自分を守ってくれていた、自然と溢れる涙を止める事が出来なくなってしまった。
蓮はキョーコが流す綺麗な涙ごとまた強くキョーコを抱き締めた。
先日のこの報道は私達の記憶にもまだ新しい内容です。が、この後、敦賀さんはファッション誌の取材の為に出版社が設定した会議室に赴いて取材を受けていらっしゃいます。その取材を担当した記者との会話がボイスレコーダーに残っている訳ですが…、と、とりあえず聞いていただきましょう!
記「それは…、敦賀さんが京子さんに好意をお持ちという事ですか?」
蓮「ええ。京子さんの事はすきですよ。」
記「えっ、それはどういう意味ですか?恋愛感情ととって問題ないですか?」
蓮「彼女は今回の役作りにも一生懸命でした。それは俺の目に好意的に映ったので協力したんです。」
記「それは敦賀さんが京子さんを『好き』だからじゃないんですか?」
蓮「ええ、好きですよ。凄く泣き虫で、一途で、何事にも一生懸命。それが彼女です。その全てが魅力的で俺を引き寄せます。俺だけじゃない。京子さんと一緒に仕事をした人は皆さん彼女を好きになる。老若男女を問わず、彼女に魅了されてしまうんです。」
記「はぁ、でも京子さんはまだ新人でそれほど知名度もありませんし、敦賀さんが力説するほどには…」
蓮「ご存知ですか?京子さんは、彼女はうちの社長、ローリー宝田の秘蔵っ子と言われているという事を…。」
記「えっ?あの宝田さんの眼鏡に叶っているんですか…?」
蓮「断言してもいい。近い将来、彼女は日本全国にその実力を認められる。『敦賀蓮』の名前などちっぽけに思えるほどに彼女は成長します。だから、今はこんなスキャンダル紛いの些細な事で彼女の可能性を、俺達の希望を潰さないでくださいませんか?」
記「……はい。」
このやり取りの後には本題の取材がなされたとの事で割愛させていただきます。が、これはかなりのスクープですよっ!
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画面の中で鼻息も荒く捲し立てるリポーターの声は少し上ずっているように聞こえる。蓮は『そんな事もあったかな?』といつもと変わらないまま。その腕の中にいるキョーコは蓮に身を預けたまま驚きに目を見開いて蓮を見上げている。
あの日の蓮はとても優しかった。泣く事しか出来なかったキョーコを支えてはげましてくれた。キョーコはその蓮の優しさだけで十分だと思っていた。それなのにキョーコの知らないところでまで自分を守ってくれていた、自然と溢れる涙を止める事が出来なくなってしまった。
蓮はキョーコが流す綺麗な涙ごとまた強くキョーコを抱き締めた。