撮影中****
「なぁ、みのる。どうしてそんなにガード堅いんだよ?」上野が呆れ顔で問いかける。
「ガード堅いってなんだよ?俺は別に…。」
講義のない空き教室の机に座って資料に目を通していたみのるに上野は話しかける。
「さっきだって彼女達が必死に誘ってるのに卒なくやんわり拒絶したじゃないか、勿体無い!」「興味ないんだから仕方ないじゃないか。」「はぁ…」盛大なため息で応える上野。
「お前、恋した事ねぇだろ?」「なんだよそれ。カノジョがいいた事くらいあるさ…。」「いや、カノジョがいるとかじゃない、人を好きになった事がないだろぉ?」
「…、そんな事はない。俺は今まで付き合って来た彼女達はみんな好きだったし大事にしてきたつもりさ。」「ならなんで今のお前は独りなんだ?」「それは…ふられるからだ、悪いか?」「なんでふられちまうんだよ。そんな百戦錬磨ななりしてよ?」「知らねえよ!」みのるは横を向いて少し黙り込む。
「…でもな、俺はふられる度にほっとするんだ。」「なんだよそれ?少しは悲しんだり悔やんだりしろよ(笑)」「…うん。寂しくなるかな?とは思う。でもほっとするんだよ。」
上野は珍しく本音を吐露するみのるをまじまじと眺めながら続ける。
「私じゃ貴方の特別にはなれないのね?」
「…えっ!」みのるが上野を凝視する。「二人でいる方が寂しいわ。」「…おいっ」みのるの顔が強ばる。
「貴方とじゃ『好き』の重さが違うのよ…。」「なんでだよ、お前見てたのか?」みのるは頭を抱えて机に突っ伏してしまった。
「どうせそんなところだろう?来る者拒まず言われるままに付き合ってるだけなんだからな。で、それも面倒くさくなって告白の時点で泣かせて諦めさせるようになった…。」「なんなんだよ。俺になんか恨みでもあるのか?」みのるは自分の事を淡々と語る上野を睨み付けた。
「恨みなんてない。俺はそのおこぼれをいただいてたりするから感謝してるくらいだ。でも、お前はそれでいいのか?」「何がだ?俺は独りで十分楽しいし充実してるさ。」「一人の楽しみもあるが誰かと分け合う楽しみもあるんだよ。」「怪しい宗教の勧誘か?」「まぁいいさ。お前がそのスタンスでいる限り俺は女の子には不自由しないからなぁ。」「一番酷いのは上野、お前だと思うぞ。」「なんでだよ、俺はお前に泣かされた可哀想な女の子達を慰めてるんだ。いい奴だぜっ」
ふと窓の外を見れば見知った人影が歩いていた。
「なぁ、みのる。どうしてそんなにガード堅いんだよ?」上野が呆れ顔で問いかける。
「ガード堅いってなんだよ?俺は別に…。」
講義のない空き教室の机に座って資料に目を通していたみのるに上野は話しかける。
「さっきだって彼女達が必死に誘ってるのに卒なくやんわり拒絶したじゃないか、勿体無い!」「興味ないんだから仕方ないじゃないか。」「はぁ…」盛大なため息で応える上野。
「お前、恋した事ねぇだろ?」「なんだよそれ。カノジョがいいた事くらいあるさ…。」「いや、カノジョがいるとかじゃない、人を好きになった事がないだろぉ?」
「…、そんな事はない。俺は今まで付き合って来た彼女達はみんな好きだったし大事にしてきたつもりさ。」「ならなんで今のお前は独りなんだ?」「それは…ふられるからだ、悪いか?」「なんでふられちまうんだよ。そんな百戦錬磨ななりしてよ?」「知らねえよ!」みのるは横を向いて少し黙り込む。
「…でもな、俺はふられる度にほっとするんだ。」「なんだよそれ?少しは悲しんだり悔やんだりしろよ(笑)」「…うん。寂しくなるかな?とは思う。でもほっとするんだよ。」
上野は珍しく本音を吐露するみのるをまじまじと眺めながら続ける。
「私じゃ貴方の特別にはなれないのね?」
「…えっ!」みのるが上野を凝視する。「二人でいる方が寂しいわ。」「…おいっ」みのるの顔が強ばる。
「貴方とじゃ『好き』の重さが違うのよ…。」「なんでだよ、お前見てたのか?」みのるは頭を抱えて机に突っ伏してしまった。
「どうせそんなところだろう?来る者拒まず言われるままに付き合ってるだけなんだからな。で、それも面倒くさくなって告白の時点で泣かせて諦めさせるようになった…。」「なんなんだよ。俺になんか恨みでもあるのか?」みのるは自分の事を淡々と語る上野を睨み付けた。
「恨みなんてない。俺はそのおこぼれをいただいてたりするから感謝してるくらいだ。でも、お前はそれでいいのか?」「何がだ?俺は独りで十分楽しいし充実してるさ。」「一人の楽しみもあるが誰かと分け合う楽しみもあるんだよ。」「怪しい宗教の勧誘か?」「まぁいいさ。お前がそのスタンスでいる限り俺は女の子には不自由しないからなぁ。」「一番酷いのは上野、お前だと思うぞ。」「なんでだよ、俺はお前に泣かされた可哀想な女の子達を慰めてるんだ。いい奴だぜっ」
ふと窓の外を見れば見知った人影が歩いていた。