7月7日。今日は七夕の日。恋にかまけて働かなくなった彦星と織姫が天の川に阻まれて会えなくなってから久しい。一年に一度だけ会う事を許された二人は、自分達が会えるこの日に願い事を叶えてくれるという伝説。
短冊に願い事を書いて笹飾りにして飾るのだそうだ。
LMEの事務所玄関を入ってすぐの所にも特大サイズの笹飾りがあった。ドピンク繋ぎの最上さんから短冊とマジックを渡されて、今思案中。
「よしっ!」と書き上げた短冊を持って最上さんの所に行く。短冊を手渡すと最上さんは「ご協力ありがとうございます。」とにっこり受け取ってくれた。そして俺の書いた内容を見る。
『全てを越えて、君に届け』
最上さんは意味を測りかねて俺を見たまま首を傾げる。俺は答える。
「16年後、25年後、ベガやアルタイルの元にこの短冊が届くまでかかっても、俺は君を思い、君だけに恋をする。どんな障害も難関も越えて君の元へこの思いが届くまで願い続けるよ。」
最上さんはきょとんとした顔をしていたが、俺の言葉の意味を理解したのかポッと顔を赤くして俯いてしまった。
「そんな、16光年も25光年も離れたお星さまにお願いするより、目の前にいる本人に直接届けてください、貴方の言葉で、貴方の態度で…。」
俯いたまま小さな、小さな声で紡がれたその言葉は俺にはちゃんと届いた。確かにそうだな。遥か彼方の星に願いをかけるより、目の前にいる俺だけの星に願いをかけよう。
「最上さん、俺の願いを叶えてくれ。俺の想いを受け止めて、そして俺に君の想いを頂戴?」
「私は…、彦星と織姫みたくはなりたくないです。」
「えっ?だめなの?」
「私は…、スピカのようにいつもあなたと一緒に輝いていたいんです。」
人前だという事を忘れて、思わず彼女の身体を引き寄せて力一杯抱き締めていた。
それは俺の思いが全てを越えて君に届いた瞬間だった。
短冊に願い事を書いて笹飾りにして飾るのだそうだ。
LMEの事務所玄関を入ってすぐの所にも特大サイズの笹飾りがあった。ドピンク繋ぎの最上さんから短冊とマジックを渡されて、今思案中。
「よしっ!」と書き上げた短冊を持って最上さんの所に行く。短冊を手渡すと最上さんは「ご協力ありがとうございます。」とにっこり受け取ってくれた。そして俺の書いた内容を見る。
『全てを越えて、君に届け』
最上さんは意味を測りかねて俺を見たまま首を傾げる。俺は答える。
「16年後、25年後、ベガやアルタイルの元にこの短冊が届くまでかかっても、俺は君を思い、君だけに恋をする。どんな障害も難関も越えて君の元へこの思いが届くまで願い続けるよ。」
最上さんはきょとんとした顔をしていたが、俺の言葉の意味を理解したのかポッと顔を赤くして俯いてしまった。
「そんな、16光年も25光年も離れたお星さまにお願いするより、目の前にいる本人に直接届けてください、貴方の言葉で、貴方の態度で…。」
俯いたまま小さな、小さな声で紡がれたその言葉は俺にはちゃんと届いた。確かにそうだな。遥か彼方の星に願いをかけるより、目の前にいる俺だけの星に願いをかけよう。
「最上さん、俺の願いを叶えてくれ。俺の想いを受け止めて、そして俺に君の想いを頂戴?」
「私は…、彦星と織姫みたくはなりたくないです。」
「えっ?だめなの?」
「私は…、スピカのようにいつもあなたと一緒に輝いていたいんです。」
人前だという事を忘れて、思わず彼女の身体を引き寄せて力一杯抱き締めていた。
それは俺の思いが全てを越えて君に届いた瞬間だった。