まゆみとみのるの出会いのシーン。大学生を演じる二人は凄く自然に役に馴染んでいる。蓮はそっけなく、キョーコは呆れている感じを上手くだしている。新開は想う。この二人、今は記憶を失ってまだ日が浅い。経験値ゼロといっても過言ではないはず。なのに上手くやってのけるこの二人は実は化物なのではないか…。この二人が記憶を取り戻したらもっと演技に幅が出るのだろうか?
特に京子は演技を始めてさほど時間が経ってはいない。最初に会った山奥のロケ地で瑠璃子に対する闘志とプロ根性は記憶に新しい。『これで演技力を身につけたら…』そう考えて楽しみにしていた。そして今、荒削りながら新開の求める演技力を身につけた京子が目の前にいる。新開は嬉しくて堪らなかった。以前、キョーコを当て馬にしてしまった自分を強く反省していた。そしてまだ磨かれていない原石を見つけた興奮は忘れはしない。宝田から『二人は記憶がない。今は敦賀蓮と京子を演じさせている』と聞いた。知っている事を明かさずにいてほしいとも頼まれた。蓮が敦賀蓮として、キョーコが京子として生きていく場所を確立するためにそうさせているのだと。だから協力する気持ちがほとんどだった。以前の蓮やキョーコを求める事はしていなかった。しかし、演じる二人は以前よりも高いクオリティで新開に応えている。ここがスタジオで、撮影中でなかったら大声を上げて叫びたいほどの歓喜と興奮が新開の身体を震わせるのだった。
特に京子は演技を始めてさほど時間が経ってはいない。最初に会った山奥のロケ地で瑠璃子に対する闘志とプロ根性は記憶に新しい。『これで演技力を身につけたら…』そう考えて楽しみにしていた。そして今、荒削りながら新開の求める演技力を身につけた京子が目の前にいる。新開は嬉しくて堪らなかった。以前、キョーコを当て馬にしてしまった自分を強く反省していた。そしてまだ磨かれていない原石を見つけた興奮は忘れはしない。宝田から『二人は記憶がない。今は敦賀蓮と京子を演じさせている』と聞いた。知っている事を明かさずにいてほしいとも頼まれた。蓮が敦賀蓮として、キョーコが京子として生きていく場所を確立するためにそうさせているのだと。だから協力する気持ちがほとんどだった。以前の蓮やキョーコを求める事はしていなかった。しかし、演じる二人は以前よりも高いクオリティで新開に応えている。ここがスタジオで、撮影中でなかったら大声を上げて叫びたいほどの歓喜と興奮が新開の身体を震わせるのだった。