社長室には椹、松島、社が先に来ていた。セバスチャンに促されて二人はソファに腰かける。セバスチャンが離れ、少ししてローリーが入ってきた。セバスチャンは後ろに控えている。

「「「「「おはようございます」」」」」
ローリーの登場にその場にいた者は立ち上がって挨拶をする。
「おはよう。朝早くから集まってもらって悪かったな。いきなりで悪いが本題にはいる。まぁ、みんな座りたまえ。」
その言葉にみなソファに腰かける。
「昨日から二人は復帰した訳だが、記者会見は想定通り大変だったな、最上くん。」
「はい。」キョーコは小さく返事をするとシュンと小さくなる。
「まぁ、世間一般の京子への評価はその程度という事だ。だが、捨てたもんじゃないぞ。バッシングされるという事は無視できないという事の裏返しだ。」
「はい」キョーコはまだ俯いたままだ。
「蓮、雑誌の取材の録画は見せて貰った。面白くなるかもしれんな。」
「はい、ありがとうございます。出過ぎた真似をしたのではありませんか?」
「いや、いいだろう。『敦賀蓮』の新しい一面を作るのも面白いじゃねぇか。」
「はぁ…。」蓮はローリーの意図がまだよく解らない。
「椹、最上くんにはマネージャーを付ける。事情を知っていて卒なく動ける者という条件でセバスチャンを付ける。彼女はラブミー部だから本来マネージャーは付けないんだが、今回はイレギュラーだから承認しろや。」
「はい。私もその方が安心です。色々とあるでしょうから。」
「うむ、そうだな。ところで蓮、お前の仕事量も少し調整させている。当面は新しいドラマとアルマンディのモデルの二本に絞ろうかと考えている。松島と社はその辺りの調整を頼む。」
「「「はい」」」

「蓮、最上くん。記憶の方は何か変化はあったかね?」
「「いえ、特には。すいません。」」
「謝るこたぁねぇ。それならそれでいいんだ。やるべき事をやってりゃ自ずと道は開けるもんだ。」自信満々に笑うローリーに一同は同意を示す。
「とりあえず今日はドラマの撮影からと聞いている。あんだけ話題にしちまったドラマだ。お前達、気合い入れて働いてこい!」
「「はいっ!」」

セバスチャンの運転でスタジオに向かう。特に会話をする訳でもなく四人はスタジオに到着した。
「京子様は私とご一緒に、敦賀様は社様とお願いします。」

さて、二人の仕事が本格的に指導する。