ローリーが懇意にしている病院の精神科医が二人カウンセラーを二人連れてやって来た。診察には日頃連達が使っていない部屋をそれぞれ使うという事だった。医者の一人は40代くらいの男性で鈴木と名乗った。もう一人の医者は30代くらいの女性で高橋と名乗った。それぞれに一人ずつカウンセラーが付くのだそうだ。鈴木Drには佐藤さんという女性が、高橋Drには田中さんという女性ががそれぞれ付いている。
蓮の担当は鈴木Drと佐藤さんのチーム。診察室用の部屋に置かれた小さなテーブルを挟んで正面に鈴木Drが座り、蓮の左側に佐藤が座る体制で最初のカウンセリングが始まった。
「敦賀さん、僕があなたのカウンセリングを担当する精神科医の鈴木です。よろしく。」「カウンセラーの佐藤です、よろしくお願いします。」
「敦賀蓮です。お世話になります。」
鈴木「大変な事故でしたね。お怪我とかはもういいんですか?」
敦賀「ありがとうございます。奇跡的に外傷はなかったようです。痛いところなども全然なくて、体調も悪くないですよ。」
鈴木「それは良かった。では、これからのカウンセリングの内容と方針についてお話を進めましょう。」
敦賀「はい」
鈴木「今回記憶の混乱があるとの事で宝田さんから診察の依頼をうけまして、私共は伺った次第です。記憶の問題は色々とデリケートな問題を含む事もありますので、最初にカウンセリングの内容を録音させていただく事をご理解いただきたい。」
敦賀「治療上必要ならばどうぞ。」
鈴木「では、よろしくお願いします。」
鈴木「事故の後数日経ちましたが睡眠は何時間くらい取れてますか?」
敦賀「そうですね、五時間くらいは眠っています。」
鈴木「夢は見ますか?」
敦賀「いえ、覚えてません。」
鈴木「目覚めはすっきりしてますか?」
敦賀「はい。」鈴木「今の生活で困ってる事はありますか?」
敦賀「いえ、特には…」
鈴木「記憶がない事で不安や心配はありますか?」
敦賀「いえ、今のところ特には…」
蓮にはこの鈴木という医師が何を目的に話を進めているのかよく解らない。ただ聞かれた事に答えているだけの作業。それはとても退屈で無意味にすら感じる。しかし、そんな心中を鈴木に読み取らせるような事をしてはいけない、それは失礼だと感じる。
鈴木は一連の質問を終えて、「今日は初回で聞くばかりになってしまって申し訳ない」とくぐり、次週また会う事を確認して診察を終えた。
蓮の担当は鈴木Drと佐藤さんのチーム。診察室用の部屋に置かれた小さなテーブルを挟んで正面に鈴木Drが座り、蓮の左側に佐藤が座る体制で最初のカウンセリングが始まった。
「敦賀さん、僕があなたのカウンセリングを担当する精神科医の鈴木です。よろしく。」「カウンセラーの佐藤です、よろしくお願いします。」
「敦賀蓮です。お世話になります。」
鈴木「大変な事故でしたね。お怪我とかはもういいんですか?」
敦賀「ありがとうございます。奇跡的に外傷はなかったようです。痛いところなども全然なくて、体調も悪くないですよ。」
鈴木「それは良かった。では、これからのカウンセリングの内容と方針についてお話を進めましょう。」
敦賀「はい」
鈴木「今回記憶の混乱があるとの事で宝田さんから診察の依頼をうけまして、私共は伺った次第です。記憶の問題は色々とデリケートな問題を含む事もありますので、最初にカウンセリングの内容を録音させていただく事をご理解いただきたい。」
敦賀「治療上必要ならばどうぞ。」
鈴木「では、よろしくお願いします。」
鈴木「事故の後数日経ちましたが睡眠は何時間くらい取れてますか?」
敦賀「そうですね、五時間くらいは眠っています。」
鈴木「夢は見ますか?」
敦賀「いえ、覚えてません。」
鈴木「目覚めはすっきりしてますか?」
敦賀「はい。」鈴木「今の生活で困ってる事はありますか?」
敦賀「いえ、特には…」
鈴木「記憶がない事で不安や心配はありますか?」
敦賀「いえ、今のところ特には…」
蓮にはこの鈴木という医師が何を目的に話を進めているのかよく解らない。ただ聞かれた事に答えているだけの作業。それはとても退屈で無意味にすら感じる。しかし、そんな心中を鈴木に読み取らせるような事をしてはいけない、それは失礼だと感じる。
鈴木は一連の質問を終えて、「今日は初回で聞くばかりになってしまって申し訳ない」とくぐり、次週また会う事を確認して診察を終えた。