カーテンの隙間から差し込む朝日が眩しくてキョーコは目を覚ました。窓の外には鳥のさえずりが聞こえる。『ここ、東京のど真ん中よね?』などと想いを巡らせていると頭の上から心地いいテノールの声が響く。
「起きた?」
「はい、おはようございます。」
「しっかり眠れた?」
「はい、すっきり起きられましたよ。敦賀さんはどうですか?」
「うん。俺もすっきり目覚めたよ。」
二人ともあんなに眠れずにいたのになんとげんきんな事かと、我慢しても笑いが込み上げてくる。最初に顔を歪めたのは蓮。「なんで笑うんですかっ!」と抗議するキョーコに「いや、なんでもないよ」と背中を向けて笑いを納めようとするがヒクヒクと肩が揺れてしまう。キョーコはそんな蓮の態度にムッとして蓮に背中を向ける。
『なんでそんなに笑うのよっ。そりゃ一人じゃ眠れないダメっ子だから笑われても仕方ないけど、そんなに笑わなくてもいいじゃないっ!』と一人ごちる。
なかなか笑いが納まらないがこのままだとキョーコが完全に臍を曲げてしまう。そうしたらもう一緒に寝てくれなくなる、それは困ると思った蓮はキョーコの機嫌をとろうとキョーコに向き直って話しかける。
「ごめんよ(クスクス)、もう笑わないから(クスツ)機嫌直して、ねっ(クスクス)」
「まだ笑ってるじゃないですかっ!」
「いや、もう(クスクス)笑ってないよ。」
「笑いすぎです。もう、敦賀さんなんて知りませんっ!」
キョーコはとうとうブランケットにくるまってまるむしのように真ん丸にまるまってしまった。
「はぁ、困ったなぁ…」
小さなため息をついて、蓮はブランケットごとキョーコを抱きしめる。
「京子さん、本当にごめん。別に君を笑った訳じゃないんだ。正直に白状するよ。昨夜リビングに出る前、ここでずっと眠れなかったんだ。何度も寝返りを打った。一生懸命目を紡錘って…でもダメだった。」
キョーコがブランケットから目だけで蓮を見る。
「なのにさ、君をここに連れてきて、君がうとうとし始めたのを見ていて、俺も目を閉じたら…、今目が覚めた。俺ってげんきんだなぁと思ったら、つい笑えてしまって…。」
「ホント…に?」
「嘘を言っても仕方ないだろう?」
「一緒だ…、私も。」
「えっ?」
「私も同じだったんです。眠れなくて、でも、ここに来たら…」
二人は笑った。一頻りわらった。そして忙しい1日が始まった。
「起きた?」
「はい、おはようございます。」
「しっかり眠れた?」
「はい、すっきり起きられましたよ。敦賀さんはどうですか?」
「うん。俺もすっきり目覚めたよ。」
二人ともあんなに眠れずにいたのになんとげんきんな事かと、我慢しても笑いが込み上げてくる。最初に顔を歪めたのは蓮。「なんで笑うんですかっ!」と抗議するキョーコに「いや、なんでもないよ」と背中を向けて笑いを納めようとするがヒクヒクと肩が揺れてしまう。キョーコはそんな蓮の態度にムッとして蓮に背中を向ける。
『なんでそんなに笑うのよっ。そりゃ一人じゃ眠れないダメっ子だから笑われても仕方ないけど、そんなに笑わなくてもいいじゃないっ!』と一人ごちる。
なかなか笑いが納まらないがこのままだとキョーコが完全に臍を曲げてしまう。そうしたらもう一緒に寝てくれなくなる、それは困ると思った蓮はキョーコの機嫌をとろうとキョーコに向き直って話しかける。
「ごめんよ(クスクス)、もう笑わないから(クスツ)機嫌直して、ねっ(クスクス)」
「まだ笑ってるじゃないですかっ!」
「いや、もう(クスクス)笑ってないよ。」
「笑いすぎです。もう、敦賀さんなんて知りませんっ!」
キョーコはとうとうブランケットにくるまってまるむしのように真ん丸にまるまってしまった。
「はぁ、困ったなぁ…」
小さなため息をついて、蓮はブランケットごとキョーコを抱きしめる。
「京子さん、本当にごめん。別に君を笑った訳じゃないんだ。正直に白状するよ。昨夜リビングに出る前、ここでずっと眠れなかったんだ。何度も寝返りを打った。一生懸命目を紡錘って…でもダメだった。」
キョーコがブランケットから目だけで蓮を見る。
「なのにさ、君をここに連れてきて、君がうとうとし始めたのを見ていて、俺も目を閉じたら…、今目が覚めた。俺ってげんきんだなぁと思ったら、つい笑えてしまって…。」
「ホント…に?」
「嘘を言っても仕方ないだろう?」
「一緒だ…、私も。」
「えっ?」
「私も同じだったんです。眠れなくて、でも、ここに来たら…」
二人は笑った。一頻りわらった。そして忙しい1日が始まった。