「あの、敦賀さん。私、夕方から収録なんです。後はお任せしてもよろしいですか?」
少し控えめな奏江の言葉に蓮は振り返り、「今日は本当にありがとう。」と返す。「これからも京子さんの事、よろしく頼むよ。」と続ける蓮に奏江は意地悪な顔を作って「恋敵に想い人の事を頼むなんで危険ですね。」と不適に笑って見せる。「京子さんとは
共々親友なんだろう?それに彼女は琴南さんにはちゃんと心を許しているから…ね。羨ましい。」蓮の表情に焦りと翳りが見えた。『勝った!』と奏江は心の中でガッツポーズする。が、キョーコを本当の意味で支えられるのは連で、支えるべきも連なのだ。それはこれまでの二人を見ていて、奏江は辛くなるほどよく解っている。
「そんな事じゃ本当に私にこの子を取られちゃいますよ、もぉっ!」
「いや、譲らない。京子さんは俺の全てを掛けて俺が守るよ。彼女がそう望むなら全てを京子さんに捧げてっも。それが俺の気持ちで、俺のあるべき姿なんだと、俺は思う。」
「その言葉に二言はないですね?」
「あぁ、京子さんの涙に誓うよ。」
「それなら今これからすぐに実戦して見せてくださいね。私は、そしてキョーコの周りの全ての人間があなたをに期待して、それゆえに厳しく監視していますから、お忘れなく。」
「肝に命じるよ。」
奏江は最後に優しく笑ってゲストハウスを後にした。蓮は怒りながらも二人のこれからを、そしてキョーコの幸せを一心に願ってくれる親友に、いくら感謝しても足りないと思った。部屋には西日が差していた。
少し控えめな奏江の言葉に蓮は振り返り、「今日は本当にありがとう。」と返す。「これからも京子さんの事、よろしく頼むよ。」と続ける蓮に奏江は意地悪な顔を作って「恋敵に想い人の事を頼むなんで危険ですね。」と不適に笑って見せる。「京子さんとは
共々親友なんだろう?それに彼女は琴南さんにはちゃんと心を許しているから…ね。羨ましい。」蓮の表情に焦りと翳りが見えた。『勝った!』と奏江は心の中でガッツポーズする。が、キョーコを本当の意味で支えられるのは連で、支えるべきも連なのだ。それはこれまでの二人を見ていて、奏江は辛くなるほどよく解っている。
「そんな事じゃ本当に私にこの子を取られちゃいますよ、もぉっ!」
「いや、譲らない。京子さんは俺の全てを掛けて俺が守るよ。彼女がそう望むなら全てを京子さんに捧げてっも。それが俺の気持ちで、俺のあるべき姿なんだと、俺は思う。」
「その言葉に二言はないですね?」
「あぁ、京子さんの涙に誓うよ。」
「それなら今これからすぐに実戦して見せてくださいね。私は、そしてキョーコの周りの全ての人間があなたをに期待して、それゆえに厳しく監視していますから、お忘れなく。」
「肝に命じるよ。」
奏江は最後に優しく笑ってゲストハウスを後にした。蓮は怒りながらも二人のこれからを、そしてキョーコの幸せを一心に願ってくれる親友に、いくら感謝しても足りないと思った。部屋には西日が差していた。