サイドキョーコ
「うわぁ、睫毛長いなぁ。鼻筋もすっと通ってるし、唇の形も凄く綺麗。最初に会った時も思ったけど、やっぱり妖精さんなんじゃないのかなぁ…。」そんな事を思いながら敦賀さんの寝顔を眺めている。さっきまで自分をからかっていたこの人は凄く大人びて完成されていて、どこか別世界の存在にも思えるほどだった。それがとても怖かった。でも、今手を伸ばせば届くところで規則正しい寝息を立てているこの人の寝顔は無防備であどけない。「まるで別人ね。」いや、本当に別人なのかもしれない。今のこの人は怖くないもの。私の右手に重ねられた大きな手から逃れようと手を動かすと、敦賀さんの体がビクッと跳ねて私まで驚いてしまった。「おきちゃったかな?」恐る恐るその端整な顔に視線を移せば一瞬眉を寄せて、また眠りに落ちたようだ。手から逃れようとしたのに、敦賀さんの手が逃がしてくれない。それどころか指を絡めて今度はしっかりと握られてしまった。これってやぶ蛇!?
程なく敦賀さんから規則正しい寝息が聞こえてきてほっとした。
私は目を閉じて敦賀さんの寝息に自分の呼吸を合わせる。そうすると直ぐにまた眠気に襲われた。次に目が覚めた時、この人の顔が近くにありますように。その手が私に触れてくれていますように。
そう願いながら私は意識を手放した。
「うわぁ、睫毛長いなぁ。鼻筋もすっと通ってるし、唇の形も凄く綺麗。最初に会った時も思ったけど、やっぱり妖精さんなんじゃないのかなぁ…。」そんな事を思いながら敦賀さんの寝顔を眺めている。さっきまで自分をからかっていたこの人は凄く大人びて完成されていて、どこか別世界の存在にも思えるほどだった。それがとても怖かった。でも、今手を伸ばせば届くところで規則正しい寝息を立てているこの人の寝顔は無防備であどけない。「まるで別人ね。」いや、本当に別人なのかもしれない。今のこの人は怖くないもの。私の右手に重ねられた大きな手から逃れようと手を動かすと、敦賀さんの体がビクッと跳ねて私まで驚いてしまった。「おきちゃったかな?」恐る恐るその端整な顔に視線を移せば一瞬眉を寄せて、また眠りに落ちたようだ。手から逃れようとしたのに、敦賀さんの手が逃がしてくれない。それどころか指を絡めて今度はしっかりと握られてしまった。これってやぶ蛇!?
程なく敦賀さんから規則正しい寝息が聞こえてきてほっとした。
私は目を閉じて敦賀さんの寝息に自分の呼吸を合わせる。そうすると直ぐにまた眠気に襲われた。次に目が覚めた時、この人の顔が近くにありますように。その手が私に触れてくれていますように。
そう願いながら私は意識を手放した。