朝食を終え、迎えに来たセバスチャンに宝田邸の応接間に通された。ゆったりした室内、体が沈み込むソファ。高級そうな調度品。キョーコは全てに動揺してしまう。隣にいる蓮はゆとりが伺えて、キョーコは『なんで私だけこんなに余裕がないの。敦賀さんの事は凄いと思うけど、なんだかここまで来ると憎らしく思えちゃうわっ!』と声には出さずにごちる。そんな事を考えていると眉間に何かがふれた。驚いて顔をあげると眉間に触れていたのは蓮の左の人差し指で、ちょっとムッとした顔をして見せると「お嬢さん、そんな顔してると可愛い顔が台無しだよ(笑)」と悪戯っぽく笑われてしまった。
「もぉ、敦賀さんはいつもそうやって私をからかってっ!」
「そんな事はないよ。いつも可愛がってるつもりなんだけどなぁ…。」
「もぉ、敦賀さんなんて知りませんっ!」
キョーコは勢いよくそっぽを向く。でも、なぜかその頬は少し朱を帯びている。蓮はそんなキョーコの表情や仕草さえ『可愛いなぁ』と見とれてしまいそうになる。「そんな顔も似合わないですよ、お嬢さん?」とキョーコの膨れた頬をまた指でつっつく蓮はすごく楽しそうだ。
「敦賀さん、いい加減私なんかで遊ぶのは止めてくださいっ!」頬にあたる指を両手で掴んで引き離し、一生懸命抗議するキョーコは少し涙目になっている。
『なんだっ!この可愛い生き物はっ!』蓮が心の中で叫ぶ。その叫びをキョーコに悟られないように蓮は平静を装い、キョーコに掴まれたのと反対側の手でキョーコの頭をポンポンと撫でる。「ごめんごめん。君の反応が面白すぎて、つい…。」
「もぉっ!本当に敦賀さんなんてしりませんっ!」
今度は座る向きを変えて、キョーコは蓮に背中を向けてしまった。
顔が見えなくなった事が寂しくて蓮は後ろからキョーコの肩をつっつく。「ねえねえ、お嬢さん?」「しりませんったらしりません。もう構わないでくださいっ!」どうやらキョーコは本気で拗ねてしまったようだ。
「ほらほら、美味しそうなお菓子もあるから、ね?」
「敦賀さんお一人で食べて下さいっ!」
これはなかなか難しい。
蓮は少しの間考えて、テーブルの上にあるハート型のパイ生地のお菓子を一つ手に取り、すっと目を細める。「困ったなぁ、どぉにかしてご機嫌とらなきゃなぁ…。」
「もぉ、敦賀さんはいつもそうやって私をからかってっ!」
「そんな事はないよ。いつも可愛がってるつもりなんだけどなぁ…。」
「もぉ、敦賀さんなんて知りませんっ!」
キョーコは勢いよくそっぽを向く。でも、なぜかその頬は少し朱を帯びている。蓮はそんなキョーコの表情や仕草さえ『可愛いなぁ』と見とれてしまいそうになる。「そんな顔も似合わないですよ、お嬢さん?」とキョーコの膨れた頬をまた指でつっつく蓮はすごく楽しそうだ。
「敦賀さん、いい加減私なんかで遊ぶのは止めてくださいっ!」頬にあたる指を両手で掴んで引き離し、一生懸命抗議するキョーコは少し涙目になっている。
『なんだっ!この可愛い生き物はっ!』蓮が心の中で叫ぶ。その叫びをキョーコに悟られないように蓮は平静を装い、キョーコに掴まれたのと反対側の手でキョーコの頭をポンポンと撫でる。「ごめんごめん。君の反応が面白すぎて、つい…。」
「もぉっ!本当に敦賀さんなんてしりませんっ!」
今度は座る向きを変えて、キョーコは蓮に背中を向けてしまった。
顔が見えなくなった事が寂しくて蓮は後ろからキョーコの肩をつっつく。「ねえねえ、お嬢さん?」「しりませんったらしりません。もう構わないでくださいっ!」どうやらキョーコは本気で拗ねてしまったようだ。
「ほらほら、美味しそうなお菓子もあるから、ね?」
「敦賀さんお一人で食べて下さいっ!」
これはなかなか難しい。
蓮は少しの間考えて、テーブルの上にあるハート型のパイ生地のお菓子を一つ手に取り、すっと目を細める。「困ったなぁ、どぉにかしてご機嫌とらなきゃなぁ…。」