サイドキョーコ
ここのキッチンは凄い。欲しいものが何でもある。食器棚の台の上にレシピ集が置いてあって、何がどこに入っているのか細かく解るように表示されている。食材もかなりストックされていてびっくりした。パラパラとレシピを見て、美味しそうに見える物を選んで作るだけって感じで楽チンだ。
レシピ集の中の『朝ごはん』から和食を選んで見ると、ご飯とお味噌汁、焼魚、お付けものというメニューがあった。敦賀さんは小食らしいからこの位の量で大丈夫かな?
グリルで焼き上がった魚をお皿に盛り付けてお茶を淹れるためのお湯を沸かしていると敦賀さんがひょっこり顔を出した。座っててくれていいのに手伝うという敦賀さんに調味料のトレイを持ってもらってリビングへ。
二人で手を合わせて『いただきます』をして食べ始めようとしたら、なんだか不思議な気分になった。あれ?いつもこんなふうにお食事をいただいていたんだろうか?
そう思いつつ敦賀さんを見れば、同じように怪訝な顔をしている敦賀さんと目が合ってしまった。一瞬戸惑って一緒に失笑してしまった。
「こんなふうにご飯たべてたのかな、俺達?」
「クス、私も同じ事を思いました。」
「こんな穏やかな日常があったのなら早く思い出したいよ。」
「…、はい、私も。」
朝ごはんを済ませて片付けをしているとセバスチャンさんから内線が入ったようだ。敦賀さんが応対してくれていたので「どうかしたんですか?」と聞くと、午前中に社長宅でこれからお世話になるお医者様が来られるという事だった。カウンセリングを受けながら今後の方針を模索する事になっていると敦賀さんは付け加えた。なんとなく見逃すようにしていた現実を突きつけられたような気がして少し怖くなった。何気なく頭に置かれた敦賀さんの大きな手が大丈夫だよと言ってくれているからそれ以上の怖さは感じなかった。
ここのキッチンは凄い。欲しいものが何でもある。食器棚の台の上にレシピ集が置いてあって、何がどこに入っているのか細かく解るように表示されている。食材もかなりストックされていてびっくりした。パラパラとレシピを見て、美味しそうに見える物を選んで作るだけって感じで楽チンだ。
レシピ集の中の『朝ごはん』から和食を選んで見ると、ご飯とお味噌汁、焼魚、お付けものというメニューがあった。敦賀さんは小食らしいからこの位の量で大丈夫かな?
グリルで焼き上がった魚をお皿に盛り付けてお茶を淹れるためのお湯を沸かしていると敦賀さんがひょっこり顔を出した。座っててくれていいのに手伝うという敦賀さんに調味料のトレイを持ってもらってリビングへ。
二人で手を合わせて『いただきます』をして食べ始めようとしたら、なんだか不思議な気分になった。あれ?いつもこんなふうにお食事をいただいていたんだろうか?
そう思いつつ敦賀さんを見れば、同じように怪訝な顔をしている敦賀さんと目が合ってしまった。一瞬戸惑って一緒に失笑してしまった。
「こんなふうにご飯たべてたのかな、俺達?」
「クス、私も同じ事を思いました。」
「こんな穏やかな日常があったのなら早く思い出したいよ。」
「…、はい、私も。」
朝ごはんを済ませて片付けをしているとセバスチャンさんから内線が入ったようだ。敦賀さんが応対してくれていたので「どうかしたんですか?」と聞くと、午前中に社長宅でこれからお世話になるお医者様が来られるという事だった。カウンセリングを受けながら今後の方針を模索する事になっていると敦賀さんは付け加えた。なんとなく見逃すようにしていた現実を突きつけられたような気がして少し怖くなった。何気なく頭に置かれた敦賀さんの大きな手が大丈夫だよと言ってくれているからそれ以上の怖さは感じなかった。