サイドキョーコ
どのくらいそうしていただろう、涙も止まり私はハッとして身体を起こす。
「ご、ご、ごめんなさいっ。私ったら…」
「いいんだよ、ここでよければいつでもどうぞ。」イタズラっぽく笑うつるがさんになんだか悔しくなって、私は拗ねた子供のように頬を膨らませてそっぽをむいた。敦賀さんはそんな私の目元に残った涙を人差し指の甲で拭ってくれた。もぉ、この人の仕草は一々恥ずかしいんだけど、憎らいくらい絵になるのよね…。
「今日は移動やなんやで疲れただろう。そろそろ休もうか?」
その言葉に今が深夜であることを思い出す。
「私、ここを片付けたらお部屋に戻りますので、敦賀さんは先にお休みくださいね。」といって立ち上がる。テーブルの上の食器をまとめてキッチンへ運ぼうとすると「俺が持つよ。京子さんはそのお菓子のお皿をよろしくね?」と私の手から食器を奪ってすたすたとキッチンに消えていってしまった。仕方なくついていって二人で後片付けを終えた。「お休みなさい。」「お休み、また明日。」それぞれの部屋の前でそう言い合って別れた。『また明日』の言葉が凄く特別っぽくてくすぐったかった。
なのに部屋に入ると一気にひとりぼっちを感じてしまった。与えられたベッドの上でなんども寝返りをうつけれども一向に眠気が訪れない。薄暗い部屋でナイトスタンドで照らされた家具の影が私の不安を煽るようだ。
「お水でも飲もうかしら…」
何気なく部屋を出てキッチンへ。冷蔵庫からよく冷えたミネラルウォーターを取り出しせグラスに移すと一口飲む。喉を流れ落ちる水の冷たさが心地いい。ほっと小さなため息が出ると後ろから声が聞こえた。
「眠れないの?」
「はい、なんとなく喉が乾いちゃって…。」
「あ、お水美味しそうだね。」というが早いか私の手からグラスを取って空っぽにしてしまう敦賀さん。あまつさえ「おかわり」とグラスを突き出してくる。
「敦賀さんはどうされたんですか?もうあれからすぐにお休みになったんじゃないんですか?」水をグラスに注ぎながら聞けば「眠れないんだ。体は疲れているんだけど…。」と言ってから少し恥ずかしそうな顔をする。
私だけじゃなかったんだ。不謹慎にも嬉しくなってしまう。
「クス、でもぞろぞろ頑張ってでも眠らないと大変ですよ?」
敦賀さんからグラスを受け取り濯いで片付ける。私はなんとなく気恥ずかしくて「お休みなさい」とキッチンから歩きだした。
どのくらいそうしていただろう、涙も止まり私はハッとして身体を起こす。
「ご、ご、ごめんなさいっ。私ったら…」
「いいんだよ、ここでよければいつでもどうぞ。」イタズラっぽく笑うつるがさんになんだか悔しくなって、私は拗ねた子供のように頬を膨らませてそっぽをむいた。敦賀さんはそんな私の目元に残った涙を人差し指の甲で拭ってくれた。もぉ、この人の仕草は一々恥ずかしいんだけど、憎らいくらい絵になるのよね…。
「今日は移動やなんやで疲れただろう。そろそろ休もうか?」
その言葉に今が深夜であることを思い出す。
「私、ここを片付けたらお部屋に戻りますので、敦賀さんは先にお休みくださいね。」といって立ち上がる。テーブルの上の食器をまとめてキッチンへ運ぼうとすると「俺が持つよ。京子さんはそのお菓子のお皿をよろしくね?」と私の手から食器を奪ってすたすたとキッチンに消えていってしまった。仕方なくついていって二人で後片付けを終えた。「お休みなさい。」「お休み、また明日。」それぞれの部屋の前でそう言い合って別れた。『また明日』の言葉が凄く特別っぽくてくすぐったかった。
なのに部屋に入ると一気にひとりぼっちを感じてしまった。与えられたベッドの上でなんども寝返りをうつけれども一向に眠気が訪れない。薄暗い部屋でナイトスタンドで照らされた家具の影が私の不安を煽るようだ。
「お水でも飲もうかしら…」
何気なく部屋を出てキッチンへ。冷蔵庫からよく冷えたミネラルウォーターを取り出しせグラスに移すと一口飲む。喉を流れ落ちる水の冷たさが心地いい。ほっと小さなため息が出ると後ろから声が聞こえた。
「眠れないの?」
「はい、なんとなく喉が乾いちゃって…。」
「あ、お水美味しそうだね。」というが早いか私の手からグラスを取って空っぽにしてしまう敦賀さん。あまつさえ「おかわり」とグラスを突き出してくる。
「敦賀さんはどうされたんですか?もうあれからすぐにお休みになったんじゃないんですか?」水をグラスに注ぎながら聞けば「眠れないんだ。体は疲れているんだけど…。」と言ってから少し恥ずかしそうな顔をする。
私だけじゃなかったんだ。不謹慎にも嬉しくなってしまう。
「クス、でもぞろぞろ頑張ってでも眠らないと大変ですよ?」
敦賀さんからグラスを受け取り濯いで片付ける。私はなんとなく気恥ずかしくて「お休みなさい」とキッチンから歩きだした。