サイドキョーコ
ジャスミンティを用意してリビングに向かった。敦賀さんはこちらの背中を向ける形で座っているから私からは表情なんかは解らない。でも、やっぱり穏やかな春の日差しのようなひとだなぁと思っちゃう。こんな素敵な人を独占している自分がにわかには信じにくくてなんとなく戸惑う。
リビングに入ってソファの前のテーブルにジャスミンティを置くと一口含んで美味しいと言ってくれた。
私はマリアちゃんの部屋で見せてもらった沢山の小物の話をした。敦賀さんって一々頷いて楽しそうに聞いていた。
「敦賀さんは社長ととんなお話だったんですか?」
「あぁ、明日からのスケジュールとかこれからの事をちょっと…ね。」苦笑まじりにそう答えられて、私ははっとして沈んでしまった。俯いて、視線を床に落としてしまうしかなかった。「ごめんなさい」その小さな声はうまく敦賀さんに届いただろうか?
さげた頭をなかなかあげられずにいると、頭の上に大きくて暖かい手の感触。敦賀さんの手だっ!
私の頭をなでながら零れてくる敦賀さんの声は凄く柔らかくてうっとりしてしまう程優しい。
「謝らなきゃいけない事なんか何もないよ。俺が勝手にやっているんだし。京子さんの分までっ思うと気合いも入るんだよ。俺が俺らしくいられるって感じ。だから、京子さんは俺にもっと頼ってくれた方がうれしいんだよ?」
「…でも、敦賀さんが色々してくださっているのに私は…」
「俺にはマリアちゃんの相手は無理だよ。だから京子さんが彼女の相手をしてくれていたからこそ俺は社長と話をする時間が出来たんだよ。ありがとうね。」と優しく付け足す。
「…、はい」
敦賀さんは今まで私の頭を撫でていた手をとめて私の顔を上向かせて視線を合わせてにっこり笑う。その笑顔の眩しさにまたうつむいてしまったらそのまま引き寄せられて敦賀さんの胸に顔を埋める形でもたれかかってしまった。敦賀さんの心臓の音、呼吸で動く胸。私よりも少し高い体温に私は素直に身体を預けることが出来た。『いい匂い、安心する…』そう思うとなぜか涙が頬を伝う、止まらない。
敦賀さんの手が私の頭を優しくなでてくれていた。
ジャスミンティを用意してリビングに向かった。敦賀さんはこちらの背中を向ける形で座っているから私からは表情なんかは解らない。でも、やっぱり穏やかな春の日差しのようなひとだなぁと思っちゃう。こんな素敵な人を独占している自分がにわかには信じにくくてなんとなく戸惑う。
リビングに入ってソファの前のテーブルにジャスミンティを置くと一口含んで美味しいと言ってくれた。
私はマリアちゃんの部屋で見せてもらった沢山の小物の話をした。敦賀さんって一々頷いて楽しそうに聞いていた。
「敦賀さんは社長ととんなお話だったんですか?」
「あぁ、明日からのスケジュールとかこれからの事をちょっと…ね。」苦笑まじりにそう答えられて、私ははっとして沈んでしまった。俯いて、視線を床に落としてしまうしかなかった。「ごめんなさい」その小さな声はうまく敦賀さんに届いただろうか?
さげた頭をなかなかあげられずにいると、頭の上に大きくて暖かい手の感触。敦賀さんの手だっ!
私の頭をなでながら零れてくる敦賀さんの声は凄く柔らかくてうっとりしてしまう程優しい。
「謝らなきゃいけない事なんか何もないよ。俺が勝手にやっているんだし。京子さんの分までっ思うと気合いも入るんだよ。俺が俺らしくいられるって感じ。だから、京子さんは俺にもっと頼ってくれた方がうれしいんだよ?」
「…でも、敦賀さんが色々してくださっているのに私は…」
「俺にはマリアちゃんの相手は無理だよ。だから京子さんが彼女の相手をしてくれていたからこそ俺は社長と話をする時間が出来たんだよ。ありがとうね。」と優しく付け足す。
「…、はい」
敦賀さんは今まで私の頭を撫でていた手をとめて私の顔を上向かせて視線を合わせてにっこり笑う。その笑顔の眩しさにまたうつむいてしまったらそのまま引き寄せられて敦賀さんの胸に顔を埋める形でもたれかかってしまった。敦賀さんの心臓の音、呼吸で動く胸。私よりも少し高い体温に私は素直に身体を預けることが出来た。『いい匂い、安心する…』そう思うとなぜか涙が頬を伝う、止まらない。
敦賀さんの手が私の頭を優しくなでてくれていた。