サイドキョーコ
マリアちゃんに手を引かれて広間から連れ出された。マリアちゃんの勢いに負けて半ば引きずられるように扉から出る時に後ろを振り替えると、優しげな笑みをたたえてマリアちゃんを眺めている社長と苦笑している敦賀さんがいた。
敦賀さんと目が合うと敦賀さんは寂しそうな表情になったので胸の奥がチリっと痛くなった。そんな、置きざりにされる子供みたいな顔で私を見ないで下さい。急にどうしたんだろう?
ふと立ち止まって自分の思考の中に埋もれてしまいそうな私の手をマリアちゃんがまたグッと引っ張ったので、私は我に返ってマリアちゃんを見た。「お姉様、どうかなさいましたか?」と心配そうに見上げてくるマリアちゃんに「大丈夫よ、ごめんね。行こうか?」と笑いかけると、マリアちゃんは少し頬を染めて、満面の笑みを返してくれた。もぉっ!この可愛さは反則だわっ!
そしてもう一度振り返って社長と敦賀さんに頭をさげて部屋を後にしたの。最後に見た敦賀さんの顔はやっぱりどこか寂しげで気になってしまった。後で部屋を覗いてみよう。
マリアちゃんの部屋に案内されてかなり驚いた。まるでおとぎ話に出てくるようなお部屋。なんと憧れの天蓋つきベッド!
家具や小物に至るまで全てがお姫様仕様になっている。うわぁ、素敵すぎるわっ!
その夢に出てくるような部屋で、私はマリアちゃんと沢山お話をした。マリアちゃんは学校の事や友達の事をすごく楽しそうに話して聞かせてくれる。出されたお茶も美味しくてウキウキだわ。
そして、ふと目についた人形。これって…、敦賀さん…よね?
なんて精巧につくられてるの?
その人形を手にとって見ていると予想だにしない言葉が耳に届いた。
「その蓮様はお姉様がお作りになったものを私がいただきましたのよ。」
マリアちゃんに手を引かれて広間から連れ出された。マリアちゃんの勢いに負けて半ば引きずられるように扉から出る時に後ろを振り替えると、優しげな笑みをたたえてマリアちゃんを眺めている社長と苦笑している敦賀さんがいた。
敦賀さんと目が合うと敦賀さんは寂しそうな表情になったので胸の奥がチリっと痛くなった。そんな、置きざりにされる子供みたいな顔で私を見ないで下さい。急にどうしたんだろう?
ふと立ち止まって自分の思考の中に埋もれてしまいそうな私の手をマリアちゃんがまたグッと引っ張ったので、私は我に返ってマリアちゃんを見た。「お姉様、どうかなさいましたか?」と心配そうに見上げてくるマリアちゃんに「大丈夫よ、ごめんね。行こうか?」と笑いかけると、マリアちゃんは少し頬を染めて、満面の笑みを返してくれた。もぉっ!この可愛さは反則だわっ!
そしてもう一度振り返って社長と敦賀さんに頭をさげて部屋を後にしたの。最後に見た敦賀さんの顔はやっぱりどこか寂しげで気になってしまった。後で部屋を覗いてみよう。
マリアちゃんの部屋に案内されてかなり驚いた。まるでおとぎ話に出てくるようなお部屋。なんと憧れの天蓋つきベッド!
家具や小物に至るまで全てがお姫様仕様になっている。うわぁ、素敵すぎるわっ!
その夢に出てくるような部屋で、私はマリアちゃんと沢山お話をした。マリアちゃんは学校の事や友達の事をすごく楽しそうに話して聞かせてくれる。出されたお茶も美味しくてウキウキだわ。
そして、ふと目についた人形。これって…、敦賀さん…よね?
なんて精巧につくられてるの?
その人形を手にとって見ていると予想だにしない言葉が耳に届いた。
「その蓮様はお姉様がお作りになったものを私がいただきましたのよ。」