「お前たち、どこまで覚えてるんだ?」
その問い掛けに二人とも困惑してしまう。『どこまで』と聞かれても計るものがない。蓮とキョーコは顔を見合わせてお互いに助けを求めているようだが、勿論どちらかが助けられるはずもない。
「そうか。ごっそり持っていかれてるわけだな。」と独り言のように納得するローリー。社と奏江は見守るしかない。
お前たちには専門の医者の診断とカウンセリングを受けてもらう事になる。精神的な問題は扱いが難しい。素人が下手にいじると取り返しがつかなくなるからな。今の二人の状態だといきなり元いた環境に戻すことも無理くさいからしばらくここにいるんだな。ゲストハウスはあるしから心配するな。俺はお前達を保護下に置けるし、マリアも安心させてやれて一石二鳥だ。医者はここに呼ぶ形で対応しよう。社、琴南くん、君たちはこいつらに近しい友人だと認識している。忙しいだろうがたまに顔を出してやってくれ。」
ローリーの段取りのよさに四人は少し退き気味ではあるが、誰にも無理な負担を強いる内容ではないのと、俄に否定する要素がないために従う事になった。
「それじゃ、二人の部屋に案内させよう。」
ローリーが内線で指示を出すと程なく褐色の肌の執事が現れ、「こちらにどうぞ。」と四人を促して部屋を出ていった。
ローリーは葉巻に火をつけてゆっくり吸い込み、大きく煙を吐き出すと、独り小さく呟いた。
「全く、俺の子供達は手がかかる。それでなくてもややっこしいのに。お前達これからどうなっていくんだよ…。」
そう言いながらもどこか楽しげなローリーだった。
その問い掛けに二人とも困惑してしまう。『どこまで』と聞かれても計るものがない。蓮とキョーコは顔を見合わせてお互いに助けを求めているようだが、勿論どちらかが助けられるはずもない。
「そうか。ごっそり持っていかれてるわけだな。」と独り言のように納得するローリー。社と奏江は見守るしかない。
お前たちには専門の医者の診断とカウンセリングを受けてもらう事になる。精神的な問題は扱いが難しい。素人が下手にいじると取り返しがつかなくなるからな。今の二人の状態だといきなり元いた環境に戻すことも無理くさいからしばらくここにいるんだな。ゲストハウスはあるしから心配するな。俺はお前達を保護下に置けるし、マリアも安心させてやれて一石二鳥だ。医者はここに呼ぶ形で対応しよう。社、琴南くん、君たちはこいつらに近しい友人だと認識している。忙しいだろうがたまに顔を出してやってくれ。」
ローリーの段取りのよさに四人は少し退き気味ではあるが、誰にも無理な負担を強いる内容ではないのと、俄に否定する要素がないために従う事になった。
「それじゃ、二人の部屋に案内させよう。」
ローリーが内線で指示を出すと程なく褐色の肌の執事が現れ、「こちらにどうぞ。」と四人を促して部屋を出ていった。
ローリーは葉巻に火をつけてゆっくり吸い込み、大きく煙を吐き出すと、独り小さく呟いた。
「全く、俺の子供達は手がかかる。それでなくてもややっこしいのに。お前達これからどうなっていくんだよ…。」
そう言いながらもどこか楽しげなローリーだった。