サイド蓮
白い天井、白い壁。カーテンで周りは見えないように仕切られている。なんとなく窮屈さが気になってキョロキョロと周りを見渡しても人の気配を感じる事もできない。白い寝台の上に寝ている事は辛うじてわかった。静か、凄く静かだ。静かすぎて自分の心臓の音がやたら耳に響くような気がする。ここは何処だろう。今は何時くらいなんだろう。俺はなぜここで眠っていたのだろう。右腕に違和感を感じて死線を移せば、細くて透明な管が見える。管を眼で追い、それが点滴の管だという事が解った。このは病室なのか、なんでこんな所に俺はいるのだろう。俺は…俺は…。
あれ?
俺は誰だ?
いや、ちょっと待て!俺の名前は…、あれ?思い出せない。落ち着け、俺っ!
俺は目を閉じて深呼吸を繰り返し、少しの時間考える事を止め、意を決して目を開けた。そうすればこの混乱の状況から逸脱できると思った。が、現状は変わらず、また静かに頭の中でパニクりかけた。いやまて、落ち着け、俺っ!
小さなノック音がして、部屋の入口の引き戸がゆっくり開いていく。薄いピンクの制服を着た看護士さんがそっと部屋に入ってきて、俺の頭元に近づいてきた。
「お目覚めですね。先生をお呼びしますからもうしばらくそのまま横になっていて下さい、敦賀さん。」
敦賀…さん。俺の名前は敦賀…というのか?なんだか凄く違和感がある。呼び止めようとしたが、看護士さんは俺の覚醒を医師に伝えるために足早に部屋から出ていった。そして程なく真っ白な診察着を着た中年というよりは壮年に近い医師をつれて戻ってきた。
白い天井、白い壁。カーテンで周りは見えないように仕切られている。なんとなく窮屈さが気になってキョロキョロと周りを見渡しても人の気配を感じる事もできない。白い寝台の上に寝ている事は辛うじてわかった。静か、凄く静かだ。静かすぎて自分の心臓の音がやたら耳に響くような気がする。ここは何処だろう。今は何時くらいなんだろう。俺はなぜここで眠っていたのだろう。右腕に違和感を感じて死線を移せば、細くて透明な管が見える。管を眼で追い、それが点滴の管だという事が解った。このは病室なのか、なんでこんな所に俺はいるのだろう。俺は…俺は…。
あれ?
俺は誰だ?
いや、ちょっと待て!俺の名前は…、あれ?思い出せない。落ち着け、俺っ!
俺は目を閉じて深呼吸を繰り返し、少しの時間考える事を止め、意を決して目を開けた。そうすればこの混乱の状況から逸脱できると思った。が、現状は変わらず、また静かに頭の中でパニクりかけた。いやまて、落ち着け、俺っ!
小さなノック音がして、部屋の入口の引き戸がゆっくり開いていく。薄いピンクの制服を着た看護士さんがそっと部屋に入ってきて、俺の頭元に近づいてきた。
「お目覚めですね。先生をお呼びしますからもうしばらくそのまま横になっていて下さい、敦賀さん。」
敦賀…さん。俺の名前は敦賀…というのか?なんだか凄く違和感がある。呼び止めようとしたが、看護士さんは俺の覚醒を医師に伝えるために足早に部屋から出ていった。そして程なく真っ白な診察着を着た中年というよりは壮年に近い医師をつれて戻ってきた。