『れぇんくぅん(笑)なににやけながらケータイいじってるのかなぁ?珍しい(笑)』

あ…、俺で遊ぶ気満々だ、この人(汗)

『いえ、ね。懸賞に応募しようかと…。』
『懸賞に?』
モニターを指差すとちょうど応募方法がテロップに出ていた。

『あぁ、美人姉妹の私物プレゼントねぇ。』
『いけませんか?』
『悪くはないけど、お前、キョーコちゃんにまつわるものならなんでも欲しいのか?』
『そんな…、ただ、他の男に持っていかれるのは嫌ですね(汗)』

ぐぅふふふぅ…と人の悪い笑い方をした後、社さんはポケットから手を出し、俺に手を出すように促す。出した掌の上には先程モニター越しに見たドラマで美喜がカバンに付けていたキーホルダーが。あれ?でもなんで?

『俺、さっきのコーナーのプロデューサーとは親しいんだ。で、蓮くんがそんな我が侭を言うんじゃないかと思ってさ、ダメ元で聞いたら同じ物がいくつかあるから構わないって実際にキョーコちゃんが使ってた物を貰ってきたんだよ。』
『…えっ、でもそれって…。』

まぁ、細かい事は気にするな。これも担当俳優の心の平穏を保つため。しいてはマネージャーの仕事の内だ(笑)
と俺の方を叩く敏腕マネージャー。本当に頼もしい。羨望の眼差しを送るがサングラス越しだから多分気付かれてないだろうけど。

これで、まぁ、なんだ…。俺も最上さんの私物ゲット…になるんだろうか?

Eod