私は手の中のものを確かめるためにテーブルから手を下げ、右手の中のものを繁々と見た。
赤色の革製品。しっかり使い込まれた感触が素敵だ。
『キーケースですね。こんな小さめのキーケース、珍しいですよね?』
『うん。デビュー前にね、立ち寄ったお店で一目惚れして買ったんだ。今はほら、アルマンディとの契約で他のブランドの小物は持てないから部屋に置いてあったんだけど、こんなサイズなら女の子が持ってもおかしくはないかなってね。色も赤いし…、どうかな?』

『うわぁ、嬉しいです!キーケース持ってなくて、早速今から使っていいですか?』

もちろん♪と神々スマイルの先輩の前で今持っている鍵をだし始める。

だるまやの鍵ラブミー部の部室の鍵。この二つだけなんだけれど…。
そして、キーケースを広げて鍵を二つ付けてまた眺める。
『どうですか?』と敦賀さんに見せると、うんうんと頷いてみせて下さった。