『最上さん、何か欲しいものはない?』
尊敬し、崇拝している大先輩からそんな問いかけを受けてとても困ってしまった。欲しいものと言われても何も浮かんで来てくれない…。

もうすぐホワイトデーだから、バレンタインデーに貰ったワインゼリーのお返しを考えてるんだけれど、もし欲しいものがあれば、それが一番いいかなと思って…と極上スマイルの先輩。バレンタインという単語に思い出した情景にポンと音を立てて体中が赤くなったのが自分でも解るんですけど…。

『け、け、結構です(汗)それに、お返しならば当日に頂いたじゃありませんかっ!』と必死に言い募る私に、大先輩は笑顔を深めて、『それはそれ、ホワイトデーはホワイトデーだよ。いつも最上さんには色々してもらうばっかりで、きっかけさえあればいつでもお返しをしたいくらいに感謝しているんだよ。』
先輩っ、その笑顔、眩しすぎて耐えられません(泣)

その笑顔の迫力に負けて、私は必死に『欲しいもの』を考える事になった。