2月9日から10日に日付が変わった事を携帯のサブディスプレイの時計が教えてくれた。俺にとって誕生日は特に大切なまのではない。仕事柄今日は行く先々でプレゼントや祝福の嵐を体感するであろう事は明確で、少し諦めの入ったため息が出る。
そんな時、携帯にメール着信を知らせる着信音。この音は最上さんだ!
『敦賀さん、お誕生日おめでとうございます。これからの一年が敦賀さんにとって素敵な毎日でありますように。』
その内容にすごく暖かいものが胸の奥に広がっていくのが解る。この瞬間、どうでもよかったはずの俺の誕生日は何よりも大切で特別なものに変わった。
そして、今度は本当に幸せなため息が出る。
俺はメールに返信をしようとキーを操作し始めたが、止めた。そして、アドレス帳から最上さんの番号を出して発信ボタンを押した。
三回目のコール音の途中で通話が始まる。
『はい、最上です。』控えめな最上さんの声。『遅くにゴメンネ。メールありがとう。すごく嬉しいよ。』そう言いながら自然と顔が緩んでしまう。
『いえ、あの、お誕生日おめでとうございます。遅い時間だったのでメールにしたんですが、まさかお電話いただけるなんて、嬉しいです。』電話越しにも彼女の息づかいではにかむ顔が頭に浮かぶ。
『いや、さっき帰ってきたところなんだ。今年の誕生日は最高の日になったよ。君が最初にお祝いしてくれたから。本当にありがとう。』
『………、嬉しいです。』そして少しの沈黙。
『あの、敦賀さん、今日は夕方事務所でお会いできると思うんですが、その時にほんの細やかなプレゼントを用意したんです。受け取っていただけますか?』
もちろん、君がくれるというのなら、今すぐにでも受け取りに行きたいくらいだよ。
『ホントに?今のこの電話だけでも幸せなのに、夢じゃないよね?』
彼女はクスッと笑って、『では、夕方にお会いするのを楽しみにしています。』
『うん、俺も楽しみにしてるよ、お休み。』
『お休みなさい。』
通話を終えた携帯をなんとなく離し難くてしばらく握ったままでいた。今の俺の顔、敦賀蓮にはあるまじき絞まりのない顔なんだろうな。
本当に君は俺の心を掴んで離さない。そんな君に翻弄され続ける俺。でも、君になら翻弄されっぱなしでもいいと思える俺はかなり重症のようだ。
素敵な誕生日をありがとう。
そんな時、携帯にメール着信を知らせる着信音。この音は最上さんだ!
『敦賀さん、お誕生日おめでとうございます。これからの一年が敦賀さんにとって素敵な毎日でありますように。』
その内容にすごく暖かいものが胸の奥に広がっていくのが解る。この瞬間、どうでもよかったはずの俺の誕生日は何よりも大切で特別なものに変わった。
そして、今度は本当に幸せなため息が出る。
俺はメールに返信をしようとキーを操作し始めたが、止めた。そして、アドレス帳から最上さんの番号を出して発信ボタンを押した。
三回目のコール音の途中で通話が始まる。
『はい、最上です。』控えめな最上さんの声。『遅くにゴメンネ。メールありがとう。すごく嬉しいよ。』そう言いながら自然と顔が緩んでしまう。
『いえ、あの、お誕生日おめでとうございます。遅い時間だったのでメールにしたんですが、まさかお電話いただけるなんて、嬉しいです。』電話越しにも彼女の息づかいではにかむ顔が頭に浮かぶ。
『いや、さっき帰ってきたところなんだ。今年の誕生日は最高の日になったよ。君が最初にお祝いしてくれたから。本当にありがとう。』
『………、嬉しいです。』そして少しの沈黙。
『あの、敦賀さん、今日は夕方事務所でお会いできると思うんですが、その時にほんの細やかなプレゼントを用意したんです。受け取っていただけますか?』
もちろん、君がくれるというのなら、今すぐにでも受け取りに行きたいくらいだよ。
『ホントに?今のこの電話だけでも幸せなのに、夢じゃないよね?』
彼女はクスッと笑って、『では、夕方にお会いするのを楽しみにしています。』
『うん、俺も楽しみにしてるよ、お休み。』
『お休みなさい。』
通話を終えた携帯をなんとなく離し難くてしばらく握ったままでいた。今の俺の顔、敦賀蓮にはあるまじき絞まりのない顔なんだろうな。
本当に君は俺の心を掴んで離さない。そんな君に翻弄され続ける俺。でも、君になら翻弄されっぱなしでもいいと思える俺はかなり重症のようだ。
素敵な誕生日をありがとう。