あの人が私に笑いかけてくれる。『おはよう』と極上の笑顔で。

その神々スマイルに私は眩しすぎて干からびてしまいそうになるけれども、そんな表情、他の人に向けているあの人を見たことがない。

私だけが知っている本当のあの人。意地悪で皮肉屋で優しくない。闇の帝王だったり夜の帝王だったり、温厚紳士なんて真っ赤な嘘。

そんな、他の誰もが知らないあの人の表情を知っている事が凄く嬉しい。

あの人の車の助手席に乗せてもらえる女の子は私だけ、あの人の部屋にお邪魔するあの子は私だけ(と思う)。

そんな事の一つ一つが私の小さな幸せ。