『モー、なんでこんなにカロリーの高いものばっかり並んでるのよ、モーっ!』奏江は美味しそうに焼きあがっていくたこ焼きを眺めて不機嫌そうにそう訴える。社はたこ焼きを返すのが遊び感覚で楽しいのか、金串でくるくるっと回しては焦げ目を確かめたりしている。キョーコも一緒になってくるくるっと楽しんでいる。蓮はちゃぶ台の上に頬杖をついて、その楽しげなキョーコの姿に見とれている。
この四人ではそんなに沢山食べられるわけでもなく、ある程度焼きあがったところで落ち着いたので、しばらく談笑したあと、パーティはお開きとなった。社は奏江を送ると二人で帰路につき、それを少し寂しそうに見送るキョーコに蓮は優しく声をかけた。
『疲れたんじゃない?』
『ぃえ、そんな事ないですよ。すごく楽しくて、楽しかった分、お開きになるとちょっと寂しいかなぁって思っちゃうんですよね。』
『そんなものかな。でも、さっき社さんたちが帰る時に、さよならじゃなくてまたねって言ってただろ?って事は終わりじゃないんだよ。また次も誘ってねって事だから、つづくんだよ。)』とキョーコの頭を蓮はポンポンと優しく撫でてから自分の胸元に引き寄せる。キョーコは暖かくて安心出来る蓮の胸にもたれたまま、少しの間目を閉じて蓮の鼓動に耳をすます。
『次はどんなパーティをしようか?』蓮の言葉にキョーコは顔をあげ、呆然と蓮を見上げていたが、そんなキョーコにもう一度『次はどんなパーティをしようか?』と蓮は穏やかな声で囁く。
『なんでもいいです。持ち寄り食事会でも、辛いもの三昧でも、すき焼きやちゃんこ鍋や…、色々!、色々ありますよ、きっかけなんですよね。楽しく過ごすのがパーティですからね!』
勢いよく言い切ってからキョーコははっとして、顔を真っ赤にして立ち上がり
『とりあえずお片付けしないといけないですから、敦賀さんはそこのソファに座っててくださいね。あ、敦賀さん、さっきまでずっとお酒しか召し上がってませんでしたから、少しはたこ焼きお食べになりませんか?あっさりしたサラダかなにかをお出ししますから、パーティの二次会みたく…『二次会は最上さん、君がいい!』っきゃぁっ!』

不意に蓮に腕をとられてキョーコはバランスを崩して蓮の胸の中にすっぽりと納められる。小さな抵抗は虚しく、二人の二次会は始まるのだった。

Fin