先日、母校の同窓会入会式に幹事として出席しました。


昔と変わらぬ制服をまとった高校3年生を前に

あの頃の私は、30年後の現在をどんな風に思い描いていたのだろうか…

そして今の私は、あの頃の自分の期待に沿った人生を歩んでいるのだろうか…

想いが巡るひとときでした。



80年代の映画“Back to the Future”では

21世紀の今、車は空を飛ぶ乗り物として描かれていました。

現実は30年前とほとんど変わっていません。

工業技術は、当時の予想よりも遅れているのかもしれません。


通信技術・IT技術は、私たちの予想を遥かに超えた進歩を遂げました。


30年前には電話にコードがなくなるなんて夢にも思いませんでした。

’85年にアメリカで初めてコードレス電話を見たときには

まるで“ウルトラマン”にでてくる無線機かと思ったほど。

留守番電話やFaxなどはほとんど普及していませんでした。

いつの間にか『電話』は『携帯電話』になり、今や通話機能だけではない『ケータイ』と化しました。


ITにいたっては、『コンピューター』というよりは『電子計算機』。

やっとワープロが普及し始めた頃で

高校卒業後、専門学校に進学する先は『電子計算機専門学校』が花形だった時代です。

パーソナルコンピューターという代物はまだありませんでした。


時代が少し進んで、PCが一般に普及しだしたのはWindows95の発売からです。

当時、80万円以上で販売されていたノートパソコンの性能といったら

今の『ケータイ』にも劣るスペックでした。


ちょっと思い浮かべただけでも、技術の進歩・時代の変化に驚かされます。



今、目の前にいる後輩たちは、どんな30年後を想像しているのでしょう。

私たち大人は、その期待に沿った未来を残すことができるのでしょうか?


技術の進歩は歓迎すべきことですが、

進歩にともない失ってしまったものを、元に戻すことは困難です。


今ここで、私たちの進むべき道をもう一度見つめ直すことが必要なのかもしれません。

彼女たちの未来は、私たちの未来でもあるのですから…。