【「目的」の先にある、公衆衛生の視点と20年越しの想い】
今日の「オレンジサロン」のテーマは、医療的ケア児へのサポートについてでした。
2年目の保健師さんから「お母さんの孤立が心配なので、家庭訪問をしたい」という相談を受けました。 「目的は?」と問いかけると、 「何かあった時の相談窓口になれれば。将来の困りごとに備えて」との答え。
その視点も大切です。
でも、行政保健師として働くなら、もう一歩踏み込んでほしい。
孤立を「心配」で終わらせず、実態を把握し、地域全体の課題を抽出して対策を立てる。それが私たちの仕事の醍醐味だからです。
例えば、必ず来ると言われている「南海トラフ巨大地震」。
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ベッドの周りに倒れやすいものはないか?
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万が一、いつもの病院以外に搬送された時、どう情報を伝えるか?
一歩進んだ「具体的な予防活動」を提示できてこそ、専門職として「頼ってください」という言葉に重みが生まれます。
これは保健師にとって、住民を守るための最大の「武器」になるのです。
そんな指導をしながら、私自身も自分の「原点」を思い出していました。
行政時代、やりたくても実現できなかったことがあります。
それは、「きょうだい児にお母さんを返してあげる時間」を作ること。
参観日や運動会、寂しさを我慢しているきょうだい児のために、お母さんが駆けつけられる時間を生み出すこと。
「そんな生産性のないこと、公的機関じゃないと無理じゃない?」と、当時は諦めていたかもしれません。
でも今回、思い立ってから20年を経て「うつ病の夫をケアする妻の会」を立ち上げることができました。
「忘れなければ、いつか実現できる」
若手の育成を通して専門性を繋いでいくこと。そして、ずっと胸にある「救いたい誰か」への想いを形にし続けること。
これからも、その両輪を大切に歩んでいきたいと思います。
