令和2年4月
私の夫が5年間の海外駐在から本帰国しました。
コロナの影響もあり、都内のホテルで2週間の滞在を経て帰宅。


本帰国後、
健康診断の結果では再検査を要する項目が
幾つかあったけど、大したことないだろうと甘く考えていた。


触診で分かったことは、
首のリンパ節が腫れていること。


医師は、「詳しく検査をする為に
設備が整った病院へ紹介状を書くから
検査を受けて下さいね」と。


7月 
紹介先の病院にてPET検査予約
PETとは、Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)の略。
PET検査は、がん細胞が正常細胞にくらべて多くのブドウ糖を細胞内に取り込む性質を利用して、ブドウ糖が多く集まっている場所から、癌を発見する方法です。


紹介先病院にかかってからは私も同行するようになりました。



耳鼻咽喉科の先生から
リンパ腫(血液の癌)の可能性が高いから血液内科も診察を受けて下さいね」と言われて
血液の癌!?とすごく動揺したことを覚えています。


普段からタバコを吸い(現在やめました)
お酒は毎日欠かさず愛飲してきたけど、
健診で引っかかった事などなく、
これと言って大きな病気にかかったことさえない夫が??と。


夫も動揺と緊張が隠せない様子でした。



7月9日 
PET検査

7月15日
首のシコリから検体採取


検体採取をした1週間後位だったかな。
血液内科の主治医から夫に直接電話あり。
何事??
途中、夫は生返事になってるし、
私、晩ご飯の準備をしながら電話の内容が気になって仕方なかった。



電話を終えた後、
夫が私の元へ来てコソコソ話(別の部屋にいる高校生の息子に聞かれないよう)
夫「俺、HIVに感染してるって!』
私「えっ??何?」
夫「HIVに感染してるって!」
私「HIV?え?」




一瞬、時が止まり思考が止まった。
…うそやん。




夫「ごめん。先生が奥さんも血液検査を受けて下さいって…」
私「なんで?なんでなん?待って説明してよ。
自分の中で心当たりあるの??嘘つかんといて」
夫「〇〇(海外赴任先)の風俗へ行った」
私「そんなん自業自得やん!何でウチまで?ウチ悪くないのにそんなん嫌や!」


聞いた直後、号泣してしまいました。


お恥ずかしい話ですが、
過去を遡り7年間の間に夫との性交渉は
たった一回です。
そのたった一回の時期がズレていれば大丈夫よね?
夫に問いただしてみた。思い出して!
夫が心当たりのある時期以降に
一時帰国時に私と性交渉。
…あかんやん。


早く保健所に行って血液検査しなくちゃ。


7月29日
私、保健所にて血液検査
検査結果は1時間後。
結果が出るまで、コインランドリーへ行って
洗濯物を乾燥機かけてた。



1時間後、保健所へ戻ると個室へ通された。
所員の方が茶封筒に入った検査結果を取り出す。
「陰性でした。良かったですね」
本当にホッとした。


私も陽性なら、夫のサポートどころじゃなく自分の事で精一杯になっただろうし、自分可愛さに
きっと夫のせいばかりにして罵っていたかも知れない。


検査結果を夫に連絡した。
「〇〇(私の名前)が俺のせいで陽性だったらどうしようと思ってた。ホントに陰性で本当に良かった。有難う」夫は泣いていた。



この時を境に私は気持ちを切り替えられた。
夫と二人三脚頑張ろうって!
時々ふいにさ「この人浮気してたんだよね…」と
心の奥の方から何とも言えない感情が湧いてくるんだけど…
ウチも人間やもん。
綺麗事ばかり言ってられへん時もあります。





HIV…今まで他人事だった。
ある日突然、
夫がHIVに感染していると知らされた事で、
こんなにも身近なものなんだと知った。
お恥ずかしいですが、
HIVとAIDSは違うんだって事も、
今回知りました。




この後、転院します。
つづく…