「介護」は子どもや親の世話をすること

というのが一般的ですが

逆の場合もあります。

 

私が担当したケースでは

50代の娘さんが急に倒れて

脳梗塞になり

80代のお母さんが娘さんの世話をしている

 

幸いにして麻痺は残ったものの

室内であれば自分で動けるので

普段は自分のことは自分でできます。

 

病院や美容院、買い物は

別居のお姉さんが車椅子で付きそう

 

そんな生活をされています。

 

ご本人は急に職を失い

社会から取り残された気持ちになり

塞ぎ込んでいる

 

「どうして私は生き残ったのだろう」

そう仰り、

 

「仕事先にも申し訳ない

家族にも申し訳ない」

 

辛いことを話して下さいました。

 

お母さんは病気になった娘を

「元気に育ててあげたらよかったのに」

そう嘆く

 

でも、待って下さい飛び出すハート

 

あなたが病気になったのは

あなたが悪い訳でも

お母さんの育て方が悪かった訳でもありません。

 

聞くと倒れる前は

仕事が激務で

責任感からかなりのストレスがあったとのことショボーン

 

そう、脳の疾患は特に

高血圧やストレスで引き起こされる

ケースが多いです!

 

一生懸命働いて

社会に貢献することも

素晴らしいけど

 

自分の体を壊してまで

働くことは

その後の自分の生活や人生を

左右します。

 

その方にこう伝えました

 

「すごくお仕事頑張っていたんですね。

きっと神様がもう休んでいいよって

病気を渡しに来たのかも。

 

病気したことで

お姉さんとの時間が増えたり

お母さんとの時間が増えたり

 

今、生きてここにいること

それが奇跡だし、

私たちケアする人間に

いろんなことを学ばせて下さるために

選ばれたのかもしれませんね。

 

また来ますので

○○さんが経験したことを

教えて下さいね。

 

それでまた一緒にリハビリ

頑張りましょうニコニコ

 

これまでこの方が

人生で一番頑張っていたこと

楽しかったこと

嬉しかったこと

 

それを聞きながらリハビリをすると

とっても笑顔になって

体の緊張もほぐれて

スムーズに動けることもあります。

 

その話をしている横で

聞いていたお母さんは

「ありがとう。

娘の話を聞いてくれて。

私も励みになります乙女のトキメキ

と泣いておられました。

 

元気だった娘が

病気になって塞ぎこんでしまう

親がそれを見ていたたまれなくなる。

 

でも、その家庭の空間の中で

悩まず

外から訪問に来た私たちに

話すことで

 

社会と繋がっていることを

忘れないで欲しい。

 

そしてほんのひとときでも

笑顔になって欲しい。

 

それが私のできること。