先日、アメリカの緘黙支援団体であるsma(selective mutism association)のニュースレターに夏休みの子供達へのサポートについての記事があったので紹介します。

*あくまでsmaの推奨例です。お子さんの状況や希望を考慮した上で必要な箇所を参考にしてくださいますようお願いします。

 

アメリカでは6月末に夏休みが始まるので、9月からの新学期まで、長い長い休みです。学年によっては、小学校から中学校、中学校から高校へと大きく環境が変わることもあります。緘黙のある子どもたちにとっては、この夏休みをどう過ごすかで新学期に向けての気持ちも変化があるかもしれません。

記事の中で言われていたポイントは大きく分けて4つです。おおまかに内容をまとめてみました。①については、アメリカでは新学期が9月からなので、進級などで学校が変わるケースとして「新しい」学校ということになっています。でも、今まで行けてなかったけど、9月から登校を考えているケースとして考えてもいいかもしれません。

①新しい学校に行ってみる

もし、進級により学校自体が変わるとしたら、まずは新しい学校に行ってみて、その場所が子どもにとって「初めての場所」とならないように準備しましょう。先生たちに協力してもらって、事前に校内を案内してもらうこともいいかもしれませんし、ただ単に車で学校の近くを通ってみる、学校まで歩いていってみるのもいいかもしれません。幼稚園や小学校であれば、運動場に行って遊具で遊んでみるというのもあります。

*うちの娘の場合は、入学式の前の春休み期間中に担任の先生に事前に会うということは断られてしまったんですが、校長に校内を案内してもらうことはできました。親と一緒に学校で時間を過ごす、教室に入って親と話をする、という経験は「ここで私は話したことがある」という成功体験になるということを娘が小さいときに緘黙の専門の先生からアドバイスいただきました。(親が近くにいると逆に話せない、というケースもあるので、本人との話し合いで決めるというプロセスは全てにおいて大事にしたいところです)

 

 

②家族や友達と、夏の旅行について計画を立てる

たとえば、親戚のうちに遊びに行くことになったなら、行く前にビデオ通話などで慣れておくことも助けになるかもしれません。直接会うのが難しい友達とも、夏休みの間にビデオ通話やメッセージなどで連絡を取り合うこともできます。ビデオ通話にしても、メールにしても、とても親しい人と、少し勇気がいるくらいの間柄の人と、両方のケースで練習することが勧められています。後者であれば、例えば、お店でメニューを注文する、美術館や博物館などでトイレの場所を尋ねたり何か情報をもらったりするということも含まれます。

 

③レストランやお店での練習

新しい環境という意味では、行ったことのないレストランやお店もコミュニケーションの練習の場として使えます。もし言葉が出なければ、指差し、うなづき、手をふる、などのジェスチャーからはじめてみましょう。もう少しチャレンジできそうな場合は、よく使うフレーズを事前にリストアップしておいて備えておくのもよさそうです。「はい」「だいじょうぶです」「〜歳です」「さようなら」「ありがとう」などのよく使う言葉に加えて、助けが必要なときや緊急のときに必要になりそうな「名前」「〜年生」「住所」なども練習しておくといいかもしれません(もしくは紙に書いておいて、話せないときはそれを誰かに見せるなど)。

*我が家は昔、アイスクリームのお店で時々練習してました。(事前にメニューを見て注文するものを決めて、サイズの伝え方など、テンプレのセリフを考えておきました。声が小さくて聞こえない、声が出ないときはメニューを指させば良い、10秒待ってできなかったら親が代わりに言う等、声が出せない場合のオプションを一緒に考えて用意しておくと安心です。)

何にせよ、本人が「やってみたい」と思える内容のものを一緒に考えるというのがまず第一段階かもしれません。声が出ても出なくても、とりあえず「トライできた!」ことについては、アイスクリームというご褒美でしっかりと労ってあげられます。

 

④習い事、イベント、キャンプ、新しい趣味、ボランティア、などの学校以外での活動に参加する

そこで得た小さな成功体験は、きっと自信につながります。コミュニケーションの練習は、新しい友達を作るきっかけにもなるし、固定してしまった自分のイメージや習慣に風穴をあけ、自身についての新しい側面を発見し、成長するための第一歩になるかもしれません。

大事なことは、夏休みの間も、他の人との関わりを持ち続けるということです。孤独に陥ることは不安を強化し、新学期に向けてのハードルが上がってしまいます。専門医にかかっている場合は、夏の間にどのような介入を行うか、どのような目標をたてるかも相談する必要があります。

もちろん、ゆっくり休んで楽しむことも同様にとても大事です。

 

以上ですが、実際これらのことを一つでも実行できたら、もうそれだけでもすごいことなのではと感じます。外に出られなくても、今はゲームで友達とつながれるので「友達とオンラインゲームを一緒にする」計画をたてるのもとてもいいと思います。

 

実際、我が家の娘は基本的に部屋で動画を見たりゲームをして過ごすことが一番好きなので、外に連れ出すだけでも一苦労な部分があります。以前しつこく誘って、ものすごくうざがられました😇

うちの場合は前日や当日など、直前に誘うとかなりの高確率で拒否されるので、少なくとも数日、できれば一週間前くらいに誘って、本人が興味を示すところに行く計画をたてるというのが良さそうです。

 

それではみなさま、素敵な夏をお過ごしください!!🌻

 

みなさま

 

お久しぶりです。

長い間、更新が止まっておりました💦

ここ数ヶ月いろいろと身辺の変化もあり、埼玉場面緘黙親の会の活動を継続することが難しくなりました。

今までご参加くださった皆様のおかげで、私自身考えるきっかけをたくさんいただき、多くの出会いに感謝しております。

本当にありがとうございました!!

 

またどこかで皆様にお会いできることを心から願っています。

 

 

*このブログでは、場面緘黙や教育に関する記事は引き続き発信していこうと思います。

何かあれば、メッセージ等お気軽にご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

こちらは短い秋が駆け足で過ぎ去り、昨日の朝は霜柱で道が真っ白になっていました。

あっという間に冬が到来した感じです⛄️

 

以下、今月の親の会のお知らせです。

 

日付:11月27日(日)

時間:10:00-12:00

方法:オンライン(zoom使用)

参加費:無料 

テーマ:今まで学校で受けた「支援」や「配慮」でよかったこと、うまくいかなかったこと。家庭でやってみてよかった取り組み、またはあまりうまくいかなかった取り組み。

 

配慮や支援内容の決定プロセスに本人はどのように関わっていて、その配慮や支援は結果的に誰にとってどんなメリットがあったのでしょうか。そもそも配慮や支援内容を考えるときには、その上に何かしらの「目標」や本人にとっての「やりたいこと」を見つける必要があるかと思いますが、その目標ややりたいことって実際どんなものがあるのでしょうか。

我が家のケース(現在あまりうまくいっていませんが・・・)やアメリカの学校での支援事例をたたき台にしつつ、みなさんと意見・情報交換ができたらいいなと考えています。

 

後半の時間はいつものようにフリーディスカッションの時間になります。

みなさんが最近考えていること、試してみたこと、悩んでいること、ぜひお話を聞かせてください。