諸富先生のキャリア教育を深掘る-その26「ただ振り返るだけでいいのか?」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今日の一日一読は第2章の続きで「基礎的な能力育成モデル」の「授業タイプ8 集団の中での役割遂行」までです。ここで、諸富先生は「小学校においては、係活動や家でのお手伝い活動について振り返らせることも、キャリア形成の基礎力を育むうえで重要な意味をもちます」(157ページ)と指摘していました。


今回の内容を読んで、ただ役割を果たすだけではなく、その後に振り返ることでより気づきが増すことはよくわかりましたが、ただの「振り返り」では抜けているところがあることに気づかされました。それは、良い面ばかりが振り返られるということです。誰しも、自分でもわかっている嫌なことをわざわざ振り返りたいとは思わないと思います。その結果、自分が何度も同じところで躓いたりしがちになります。


ただ、良い面に着目することで、より行動的になることは十分に考慮すべきことです。そもそも自己肯定感が低ければ、何もアクションを起こす気にならないと思うので、小学生の間は自分にとって良いことを振り返るだけでも十分だと思えます。


一般的にはそれでいいと思いましたが、私が関わっているミラコラでは小学生3年生以上に、自然な形で、自分のダメだったことに意識を向けて、そこからよりよくなっていくイメージを持つという「受け取り直し」を重視していることがかなり特別なことだったと実感しています。