諸富先生のキャリア教育を深掘る-その14「7つの力⑤」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今の「学び」を「〇〇のため」で終わらせずに、「〇〇とともに」にしていくために、問題意識を教材化して、日本の教育システムで閉ざされたものを開き続けます。



今日の一日一読は前回の続きで7つの力の5番目の「達成する力」です。ここの内容はとても参考になると感じました。


本書が出版された当時にすでに子どもたちが「先を読んで計算し、どんな結果が得られるか」(77ページ)に関心を集めてしまっていたので、この「達成する力」は非常に意義深いと感じています。諸富先生がいう「達成する力」はただ物事を達成するのではありません。

「ただ単に、面白いから、何だかうれしいからという動機で、われを忘れて取り組んで、それによって何かを成し遂げる感覚を味わうことは、子どもたちの自信につながり自己肯定感を生み出します。そのための仕掛けとして、少しスケールの大きい課題を与えて、自分なりにそれを達成する喜びを経験させるのはいい方法です。」(79ページ)


この子どもが興味を持って続けることをいかに大人が見守れるかがとても大事になってくることを実感しています。あえて言えば、失敗することがわかっていても、温かく見守れるかどうかです。実際にやってみたら、大人が思いもしない方法でやってみることだってありうるからです。


ただし、今どきの感覚が強すぎる子どもは逆に情報を収集しすぎて、結果ばかりを追い求めすぎるかもしれないので、その時は大人が適切な問いを立てていくことが重要になってくると思われます。


そう考えると、子どものキャリア教育をうまく成功させるには、大人側にも能力開発が大切になってくるかもしれません。