今日の一日一読は第1章第1節の続きで「「キャリア教育」という言葉に込められた願い」までです。短い文章でしたが、見過ごせない大事なことが書かれていると感じました。
それはキャリア教育が小学校で始まることについて考察がされていたことです。
「小学校にキャリア教育が導入されるにあたっては、進路指導とキャリア教育が分けて考えられています。これまでの進路指導は子どもたちの能力・態度と十分に連動していなかったり、単に出口指導にしかなっていないという問題点がありました。進路指導とか進路教育といった場合、かなり限定的な狭い意味でとらえられていたのです。」(32-33ページ)
日本の小学校教育の中でキャリア教育が入る意義のついて、以前読んだ文科省のキャリア教育の報告書ではあまり触れられていないと感じました。おそらく文科省の認識では、従来の延長線上にキャリア教育が位置づけられており、だからこそ諸富先生のような見解が出なかったのだと思われます。
そもそも諸富先生のように、キャリア教育の新規性を認識できていれば、学校の従来の教科中心のキャリア教育という発想は出にくいはずです。