文科省のキャリア教育を深掘る-その6「大人も適切な勤労観・職業観を持っているか?」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

問題意識の教材化(MIK)ブログ

今の「学び」を「〇〇のため」で終わらせずに、「〇〇とともに」にしていくために、問題意識を教材化して、日本の教育システムで閉ざされたものを開き続けます。



1月6日の一読は第一章の続きで「第4節 キャリア教育を通して育成すべき“基礎的・汎用的能力”」の最後までです。ここで国が進めるキャリア教育の具体像が示されているはずですが、中身を丁寧にみていくと、真の意味での「キャリア教育」として実施できているのかという疑問が生まれました。それはこの節のタイトルからも伺えます。


一応の説明としては「社会的・職業的自立,学校から社会・職業への円滑な移行に必要な力」(16ページ)という言葉は出てきますが、その中身が「基礎的・基本的な知識・技能」「基礎的,汎用的能力」論理的思考力,創造力」「意欲・態度及び価値観」「専門的な知識・技能」(同上)といった具合でわざわざキャリア教育と謳う意義がどこにあるのかがよくわかりませんでした。もしそれらすら既存の学校教育に欠けているとすれば、そもそも考えるべきはキャリア教育の導入ではなく、学校教育そのものの見直しだと思われます。


どのような議論がなされているかどうかはともかくとして、教育である以上、結果として人間が育つわけですから、大人たちを見ればはっきりしてきます。


例えばキャリア教育で重視されるべき「勤労観や職業観」が子どもの教育の範疇で論じされていることにすごく違和感がありました。そのような価値観は言葉で教えて身につくものではないので、子どもの周りにいる大人たちが適切な価値観を持っているかどうかが無視できないことになるはずです。子どもからすれば、大人ができていないorやっていないことをなぜやらされるのかという疑問が生まれて当然だからです。


キャリア教育を学校内で語ろうとする時点で根本的な過ちがあるように思えてなりません。