「道の文化」を深掘る-その58「忍者の道」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今日の一読は「5 道の分化」の「忍者隠密」の「道なき道を行く」と「秘密主義と形骸化」でした。文章は足立巻一氏(評論家)です。タイトルを読んだ段階では興味がわかなかったのですが、読んでみて印象が変わりました。


足立氏は忍びに関する文献『忍秘伝』の中の一文に着目して次のように書きます。

「忍者は道でないところを行き、常人が通れない道を神力をもって通達する技術者だというのだ。この伝書には敵地、敵城へ忍びこむための小道具類が図解入りで説明してあり、それがおもな内容となっているが、「水道とし」とあるように水中潜行用の忍び道具がいくつかあげてある。そのひとつに浮踏というのがある。」(95ページ)


忍者といえば、水の上を歩いたりすると言われてきましたが、それはまさに道なき道を進んでおり、常識では道にならないところも道にするという気づきがありました。


もちろん、忍びの道もまた、道(どう)に陥る結果になったことが足立氏によって書かれており、全体的に期待以上の内容でした。