『入門 哲学としての仏教』を深掘りする-その14「曼荼羅」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今の「学び」を「〇〇のため」で終わらせずに、「〇〇とともに」にしていくために、問題意識を教材化して、日本の教育システムで閉ざされたものを開き続けます。

今日の一日一読は第三章の続きで、106ページまでにしました。ここで重要なタームとして「曼荼羅」が出てきます。「マンダラ」という表記でもおなじみになりつつありますが、竹村先生は心の奥底にあるものとしての「曼荼羅」を深めていて興味深かったです。



竹村先生は空海の真言密教に見られる金剛界曼荼羅や胎蔵界曼荼羅を引き合いに出して、人間の心の中の広がりを曼荼羅が示していることを説明していました。


「曼荼羅においては、つまりあらゆる他者をも、自分の心のなかに抱いているということなのである。それら諸仏諸尊が、自己の心のなかではたらいていて、自己という一箇の命をまっとうさせているということなのだろう。」(104ページ)


このように曼荼羅は言葉を超えた世界観を絵で示してくれているという点で、哲学的にも注目すべきものだと感じています。