昨日の一読は「第一章 機械翻訳とポライトネスー機械翻訳に反映させるべきポライトネスとその手法に関する一考察」(羽成拓史著)の「ニ 機械翻訳の発展と現状そして今後」まででした。
「ポライトネス」という聞きなれない概念がメインの話になっていましたが、冒頭の部分を読んだだけでも、その重要性がよくわかるほど、羽成氏の文章はわかりやすかったです。
機械翻訳を技術的に可能にするかということはもちろん大事なことなのですが、忘れてはいけないのは、単に言語を翻訳すればいいということではないことです。人間関係を円滑に進めていくということが「ポライトネス」だということを知りました。羽成氏によれば、
「例えば、友人にペンを貸してほしいと伝えるときにえ、「ペンを貸せ」よりも「ペンを貸してくれる?」と言ったほうが、普通は人間関係が円滑に確立・維持される」(54ページ)
とのこと。
たしかに、機械が翻訳してくれたものが人間関係を悪化させるような乱暴な表現になってしまうことはまずいです。人間同士であれば、阿吽の呼吸でできるようなことであっても、機械が人間のように振る舞うことを安易に期待してはいけないことに気づかされました。