『未来のルーシー』を深掘りする-その30「言葉によらないコミュニケーション」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今日の一日一読は「言葉によらないコミュニケーションと無意識」の中の「人間と非人間のコミュニケーション」でした。今回の内容は山極先生の十八番とも言える霊長類研究が活きていると感じるものでした。

人間同士であれば言葉を介したコミュニケーションが成り立つわけですが、人間以外となると、当然言葉は媒介になりません。かといって、人間以外とはコミュニケーションがとれないかというとほとんどの人がNOだというと思います。私たちは肌感覚で動物たちと何かしらのコミュニケーションを取ることができることを知っているわけです。

しかしながら前回の内容にもあった「道具的思考法」を持ちすぎるとうまくいかなくなります。山極先生は「道具的知性から〔動植物との会話を〕眺めてしまうと、すべて対象物になってしまいます」(150ページ)と述べていました。

非道具的思考法では、身体感覚を大切にするというということも言われていました。
「人間は身体でもっていろんな生物と感応しあって生きています。自分の頭のなかでは気づいていないかもしれないけれどこれ例えば温度も単に太陽の光だけがもたらしているわけではなく、植物が感じて日陰をつくったり、呼吸をしたりするなかで、われわれはその複合物としての気温・温度を感じているのです。それはまさにコミュニケーションです。」(150-151ページ)

このコミュニケーションを単純に「意思疎通」だと捉えるとどうしても頭で考えがちになりますが、身体を使ってという視点に立つと違った見方ができると思います。

今、別の研究で興味を持って読もうとしている本がこれなので、つながりを感じざるを得ません。

あいだ哲学者は語る―どんな問いにも交通論― https://www.amazon.co.jp/dp/4771031134/ref=cm_sw_r_cp_api_fabc_0bQPFb28E36JN