『中庸』章句からMIKする-その28「禍いがその身に及ぶ人の特徴」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今の「学び」を「〇〇のため」で終わらせずに、「〇〇とともに」にしていくために、問題意識を教材化して、日本の教育システムで閉ざされたものを開き続けます。


今日の一日一読は第28章でした。
子曰く、愚にして自ら用うることを好み、賤にして自ら専らにするを好み、今の世に生れて古(いにしえ)の道に反(かえ)る。かくの如きものは、烖(わざわ)いその身に及ぶ者なり。」

今までは聖人の立場からの話が多かったことを踏まえると、今回の内容は正反対の立場の話になっていました。

ここでは、はっきりと3つのことをしたら禍いが身に及ぶと述べられています。
①愚にして自ら用うるを好む
②賎にして自ら専らにするを好む。
③今の世に生まれて古の道にかえる。

これらに共通するのが中庸に生きていないということだと思います。①と②は「自ら」という言葉に現れているように、自分しか考えていません。自分の好きなことばかりに目が向いているから、他者のことを考慮に入れることができなくなります。その結果、偏った判断しかできないので、中庸に生きていないと言えます。

③は時間軸の偏りです。今に生きているのに過去ばかり見ていたら、それもまた中庸に生きているとは言い難いです。

本文のように孔子の言い方に従うならば、立場の違いから生まれる問題だと言えますが、本来的には立場関係なく、どのような人でもありうることだということを肝に銘じておきたいと思います。